男たち最後の景色は? ハイバイが悲劇を笑いに昇華

2014.7.8 19:5配信
岩井秀人 岩井秀人

前作『ある女』では、女性の不倫をテーマにシニカルかつ笑いも盛り込んだ人間ドラマに仕上げてみせ、見事岸田國士戯曲賞を受賞したハイバイ主宰・岩井秀人。現在は話題の映画やテレビに出演するなど、俳優としても大活躍中の彼が、2年ぶりの新作『おとこたち』を執筆。現在、東京で上演中だ。

バイバイ『おとこたち』 チケット情報

「そろそろ新作を書こうと思った時、僕の周りにいる、年金を払ってなかったりバイトだけしてる人が気になって。何年後ぐらいまで楽しんでいられるのか?そこが発想のスタートでした」と岩井。

年金を払ってないから年金がもらえない。認知症になってしまって訳がわからない。40年以上めちゃめちゃ働いてきたのに、定年したら家に居る場所がない。そんな悲惨な男たちの姿を赤裸々に描いていく。脚本を仕上げるにあたり、前作同様、方々へ取材を重ねたと話す岩井。「人生の終わりに待ってた景色がそれか、と唖然。男のプライドも何もあったもんじゃない。だから僕は、そういう景色を見て逆に笑うべきだと思ったんです。これだけ酷い目にあうかもってことを想定しておくと、将来に備えられるかもと。耐性をつけるというか(笑)」と半分冗談めかして、半分真剣に語る。

メインの登場人物は4人。会社の規模は違えど社員として働くふたりと、アルバイト生活だけど結婚してる人、そして俳優になった人。4人は大学の同級生。「たまに会って近況報告をしてる関係なんですけど、年齢を重ねるにつれてどんどん差が出来てしまう。金銭感覚や家庭のあり方とかも変わってきますよね。そうそう、奥さんとか子どもも出てきます。女性は比較対象になりますね。コミュニケーション能力や適応能力が、男性に比べて格段に高い。これは強いです。羨ましい(笑)」。実際に脚本を書き終わって思うことは、「奥さんと子どもを大事にしよう。そして、謙虚に生きよう。かな?」と笑う。

“生々しいけれど笑えるコメディ”が持ち味のハイバイ。今回も過激なほどに生々しく、そして。思わず笑ってしまう独特の時間を届けてくれる。どこかいびつだが、人生の核心を突く作品だ。

7月13日(日)まで東京芸術劇場 シアターイース、7月16日(水)・17日(木)福岡・西鉄ホール、7月19日(土)・20日(日)愛知・長久手市文化の家 風のホールにて。チケットは発売中。

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