左から、松田凌、加藤和樹、東山光明  撮影:カツヲ 衣裳:加藤和樹/TOM REBL、Roen、S.O.S fp恵比寿本店 東山光明/wjk、lotholon、Dress camp、S.O.S fp恵 左から、松田凌、加藤和樹、東山光明  撮影:カツヲ 衣裳:加藤和樹/TOM REBL、Roen、S.O.S fp恵比寿本店 東山光明/wjk、lotholon、Dress camp、S.O.S fp恵

“オリエンタルロックミュージカル”という新しいジャンルを確立し、人気を博している上島雪夫演出のオリエンタルロックミュージカルシリーズ第3弾『SONG OF SOULS-慶長幻魔戦記-』の公演が決定した。江戸の街を舞台に、突如現れた魑魅魍魎と人間たちの壮絶な闘いを描いた本作。シリーズ連続出演中の加藤和樹、東山光明、そして初参加となる松田凌に、見どころを聞いた。

『SONG OF SOULS-慶長幻魔戦記-』 チケット情報

様々なステージで活躍する実力派の俳優たちが、その垣根を越え“ロック”の名の下に融合。2010年『King of the Blue』、2011年『陰陽師~Light and Shadow~』と、芸術性の高いオリジナル・エンターテイメントを打ち出してきた。第1作から出演している加藤は、「ミュージカルというと西洋のイメージが強いですが、このシリーズの舞台は僕らが生きる日本。鬼が出てきたり妖術が飛び交ったり、奇想天外な設定の面白さもさることながら、激動の時代を強い心で生きようとする者たちの姿は、現代を生きる自分たちにも重なるところがある」と作品の本質的な魅力を語った。

男性ロックボーカルデュオHoney L Daysのボーカリストとしての顔も持つ東山も、3部作すべてに出演。「今回は、慶長の大地震直後の江戸を舞台に、大地震によって破られた結界から放たれた“摩多羅神”(またらじん)と、人間との戦いを描いていきます。上島さんによる演出と振付、全シリーズの音楽を手掛けてきたKYOHEI(Honey L Days)の音楽が、誰も観たことがない独特の世界観を生み出すはず」と、彼ら自身も公演を楽しみにしていることが伝わってきた。

初参加となる松田は、「“ロックと時代劇の融合”と聞き、自分の固定概念を覆す作品だと思いました。まだ自分は舞台経験も少なく、稽古中は“新人マーク”をつけておきたい気分ですが(笑)、舞台上では力強く生きていきたいです」と意気込んだ。

個性豊かなキャスト陣にも注目が集まる。3作連続で主演を務める泉見洋平は「真面目で努力家、学ぶところの多い座長です。ステージ上でのキラキラ感はハンパない! 貴水博之さんは現場のムードメーカー。今回は悪役・摩多羅神を演じるのですが、ハマり過ぎてヤバい(笑)。妖しい魅力が全面に出るでしょう」と加藤が解説。そんな彼らが演じるのは、江戸の時代に生きたとされる実在の人物たち。猿若勘三郎(初代・中村勘三郎)を演じる東山は、伊藤靖朗の脚本を読み、「まさに“SONG OF SOULS”を体現する役」と、作品のテーマを背負った責任を実感しているという。松田も「初参加の自分だからこそ出せる色もあると思う。和樹さんとミツさんの背中を見て、心で歌います」と目を輝かせた。ふたりの熱意を受け止め、加藤も「みなさんの魂に訴えるような舞台にします」と闘志を燃やした。

公演は11月7日(金)から11月16日(日)までKAAT 神奈川芸術劇場 ホール、11月23日(日・祝)・11月24日(月・休)大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティにて。

文:瀬尾水穂