『TATSUMI マンガに革命を起こした男』(C)ZHAO WEI FILMS

“劇画”の名付け親、辰巳ヨシヒロの半生を描いたアニメーション映画『TATSUMI マンガに革命を起こした男』が11月15日(土)より公開される。日本の漫画界において重要な役割を担った辰巳ヨシヒロを描いた本作に多くの漫画家から激賞の声が寄せられている。

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『TATSUMI…』は、辰巳の半自伝的作品ともいえる『劇画漂流』を基に、現在の青年漫画に多大な影響を与えることとなった辰巳の苦悩と才能を描くアニメーション映画。シンガポール映画界の旗手エリック・クーが監督を務め、ナレーションを辰巳ヨシヒロ本人が務める。

さいとう・たかを氏は「日本の映画関係者が辰巳作品を消化できないからといって、海外の映画人にゆだねるのはファンとして本当に情けなく思う」とコメント。そのほか、「とんでもないアニメに出会った。間違いなく。ここ当分は同じ漫画家である僕の脳裏から離れそうもない過激で挑戦的な劇画アニメだ」(モンキー・パンチ氏)、「辰巳ヨシヒロ氏は戦後まもなくの日本のマンガ界に荒々しくも鋭い、そして超リアルな新たしい表現の波を起こした劇画作家のひとりだ。今では世界中のコミック界にも大きな影響を与え続けている“劇画”。辰巳氏の草創期を知らなければ、現代のコミック、アニメーション、マンガの世界は語れない」(ちばてつや氏)、「日本のマンガ&アニメ文化が欧米圏にカルチャーショックを与え続けている。その普及活動の先導者の一人である辰巳作品が、この度シンガポールでアニメ化されたことは、アジアにもショックが波及した証しであり、今後の辰巳さんの活躍はさらに期待されるのではないだろうか」(つげ義春氏)など称賛の声が寄せられている。

本作は、第64回カンヌ映画祭・ある視点部門に正式出品されたほか、第84回米アカデミー賞・外国語映画賞のシンガポール代表に選出されるなど世界的に高い評価を集めている。

『TATSUMI マンガに革命を起こした男』
11月15日(土)角川シネマ新宿ほか全国公開