『CHaCK-UP』 『CHaCK-UP』

芝居とライブの両方が味わえるネルケプランニングのアイドルステージの第3弾が開幕。『CHaCK-UP─チャックアップ─』のステージに立っていたのは、前代未聞の“宇宙人アイドル”だった!

『CHaCK-UP』チケット情報

これまでもアイドルステージでは、舞台上で「少年ハリウッド」「プレゼント◆5」といったアイドルグループを生み出し、独自のエンターテインメント性を発揮してきた。第一部の舞台でそれぞれのキャラクターを表す物語を展開し、第二部では、オリジナルの楽曲でそのアイドルグループのライブを披露。曲も含めてアイドルとしての完成度は高く、架空でありながらも、アイドルというものを存分に楽しめる世界を作り出している。その第3弾として誕生させたのが、今回の惑星アイドル「CHaCK-UP」だ。メンバーは6名。それぞれ、火星、金星、水星、木星、土星、天王星からやってきた宇宙人であるという設定が、今や現実でも何でもありとなったアイドル界を象徴していて面白い。

第一部の芝居では、「CHaCK-UP」の誕生秘話が描かれた。舞台は芸能科で有名な高校。選抜コースに選ばれてデビューを目指す6人が結束するまでの、熱いドラマが繰り広げられる。チームワークの鍵を握るのは、天才を自称して自らリーダーを買って出るアマミヤ(古谷大和)だ。プライドの高いミナミ(本田礼生)、その金魚のフンと言われているナルカミ(影山達也)、暴走しがちなヒヤマ(中尾暢樹)、学校一の変人と言われているヨシノ(古川裕太)、そして、常にアマミヤを励ます幼なじみのトキハラ(崎山つばさ)という個性的な面々をいかにまとめていくのか。それぞれの思い切りのいい演技が、反目と友情の物語をてらいなく見せてくれる。

ようやくひとつにまとまった「CHaCK-UP」は、そのままライブに突入。宇宙服風の衣装をまとい、「我々のシャトルへようこそ!」と会場に呼びかける。第一部で芝居をピリッと締めた先生たちが、高校の校歌を歌うことでライブに参加するのも楽しい。そしていつしか、紆余曲折を経て懸命に歌とダンスを見せる「CHaCK-UP」の6人を応援したくなっていく。ここでは、観る側も恥ずかしがらずにペンライトを振ってみてほしい。アイドルという存在が私たちに与えてくれるものを実感できるはずだ。

公演は9月7日(日)まで東京・LAFORET MUSEUM 原宿にて。

取材・文:大内弓子