『Whiplash』

トロント映画祭が現地時間4日に開幕した。秋から冬にかけて北米公開される秀作ドラマが集まることで知られるこの映画祭では、今年も数多くの話題作が上映される。

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注目されている作品のひとつは、ベネディクト・カンバーバッチ主演の『The Imitation Game』。先週末のテリュライド映画祭で上映され、“オスカー候補入り間違いなし”と絶賛を受けた作品だ。第二次世界大戦中、ナチの暗号を解こうと尽力する数学者(カンバーバッチ)を主人公にしたドラマで、共演はキーラ・ナイトレイ。やはりテリュライドで高い評価を受けた『Wild』は、母の死の後、ひとりで徒歩の旅に出る女性の物語。『ダラス・バイヤーズクラブ』でマシュー・マコノヒーをオスカーに導いたジャン=マルク・ヴァレが監督することもあり、主演のリース・ウィザスプーンにオスカー候補入りの可能性がささやかれている。また、ジェイク・ギレンホールが約13キロも体重を落として挑んだ『Nightcrawler』も必見といわれている作品だ。

カンヌ映画祭でプレミアされたベネット・ミラー監督の『Foxcatcher』、サンダンス、カンヌで好評を得た『Whiplash』もトロントでオスカーに向けての勢いをさらに増そうとする。

トロント映画祭は、カンヌ、ベルリン、ベネチアなどと違い、審査員を置かず、観客が投票して賞を決めるシステム。過去に『スラムドッグ$ミリオネア』『英国王のスピーチ』『それでも夜は明ける』などが、トロントの観客賞ではずみをつけ、最終的にオスカーも受賞している。

文:猿渡由紀