スタジオジブリ・プロデューサー鈴木敏夫氏と秋元康氏

『風立ちぬ』(宮崎駿監督)、『かぐや姫の物語』(高畑勲監督)のブルーレイ&DVD発売イベントが23日に都内で行われ、スタジオジブリの鈴木敏夫氏と作詞家でAKBグループの総合プロデューサーを務める秋元康氏が公開対談を行った。鈴木氏は「どうせ新しい時代を迎える。優れた才能はアジアから出てくるはず。宮崎、高畑の時代は終わったし、早く終わらせたい」と日本のアニメ業界について見解を示した。

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一方、国内のみならず、アジアでもAKBグループの活動を展開する秋元氏は「やはり、インターネットの力が大きい」と語り、「マーケティングからは何も生まれない。『これはおもしろそう』という個人の思いに、ひょんな出会いがあって、化学反応が生まれる」と持論を展開。「常に行き当たりばったり」(鈴木氏)、「先のことは考えていません」(秋元氏)とプロデュース論も明かした。

宮崎監督の長編引退作となった『風立ちぬ』、高畑監督にとって14年ぶりの新作『かぐや姫の物語』について、鈴木氏は「ふたりに対する退職金のつもりで、好きなだけお金と時間を使ってもらった。『かぐや姫』の完成に8年かかったのも想定内」。プロデューサーとしての役割は「天才はどこか人間的に問題があるもの(笑)。彼らの才能を世に出すには、第三者が必要」だと説明した。

さらに鈴木氏が、スタジオジブリで経験した数々の苦労話を披露すると、秋元氏は「どこかマゾ的快感を味わっていますね。この人はトラブルを待っているんですよ(笑)」。『風立ちぬ』『かぐや姫の物語』について「もちろん、どちらも素晴らしい作品。監督ふたりの思いがシンプルに伝わってきますね。テレビや作詞家の仕事をしていると、どうしても最大公約数を考えてしまうので、個人の強い思いに心が洗われる」と話していた。

『かぐや姫の物語』
ブルーレイ&DVD 12月3日(水)リリース
ブルーレイ:6800円(税別)
DVD:4700円(税別)

『風立ちぬ』
ブルーレイ&DVD 発売中
ブルーレイ:6800円(税別)
DVD:4700円(税別)

取材・文・写真:内田 涼