キャラメルが感動を届ける「会いにいく」ツアー開幕

2014.9.25 18:45配信
キャラメルボックス『無伴奏ソナタ』2012年初演時の舞台より 撮影:伊東和則 キャラメルボックス『無伴奏ソナタ』2012年初演時の舞台より 撮影:伊東和則

キャラメルボックスが全国を巡る「会いに行く」ツアー“Greeting Theater”を今秋から開催する。その第1弾の演目は2012年に初演した『無伴奏ソナタ』。原作はアメリカを代表するSF作家オースン・スコット・カードの同名小説。わずか30ページ程度の短編を、キャラメルボックス成井豊の脚本・演出で舞台化した。初演時は、東京と神戸で数日間の小規模公演だったにもかかわらず、観客から圧倒的な支持を受けた本作。今回は、9月26日(金)開幕の東京公演を皮切りに全国6都市で上演する。9月某日、佳境に入った稽古場を見学した。

キャラメルボックス『無伴奏ソナタ』チケット情報

主人公のクリスチャン・ハロルドセンは初演に続き多田直人が担う。人類の職業が「適性検査」と呼ばれるテストで決められてしまう時代に、音楽の天才と認定され、音楽を作り演奏することに専念する人生を与えられたクリスチャン。純真無垢で若々しく、天賦の才を遺憾なく発揮する「選ばれし天才」像を軽やかに演じる多田。だが、ドラマの中盤、クリスチャンは作曲、演奏、歌を歌うことを含む全ての音楽活動を禁じられてしまう。すると、それまでの演技を一変させ、クリスチャンの抑圧された感情に対し、表情、しぐさ、佇まい、セリフ回しとあらゆるアプローチから迫っていく。

今回取材したのはシーンの全編をみる「通し稽古」。稽古の中で出演者たちは様々な“実験”を試みる。このギャグはうけるのか、セリフの交わし具合はどうか、舞台上での立ち位置や動きを細部まで確認しながら進めていく。時折、仕込まれたギャグに沸くものの、稽古場の雰囲気は本番さながら。成井の鋭い眼光が作品全体を錬磨するように注がれる。

音楽にまつわる作品ゆえ、劇中には様々な演奏シーンが登場する。音楽を禁じられたクリスチャンが、バーの片隅に置かれたピアノを我慢しきれず弾いてしまう場面や、彼が即興で作った曲を道路工事の作業員たちが合唱するシーン、俳優によるギターの弾き語りもあり、生の調べが臨場感を煽る。本作では演奏シーンが大きな魅力のひとつとなっている。

一時は天才と崇められながらも、後に多くの受難に遭い、波瀾と共に齢を重ねるクリスチャン。堪え忍びながら生きてきたその姿と、彼の人生の終着点は、ストレス過多の現代社会において、多くの感動と学びを与えてくれるに違いない。

公演は9月26日(金)から10月1日(水)まで東京・サンシャイン劇場にて。その後、10月5日(日)に三重・三重県文化会館 中ホール、10月8日(水)から9日(木)まで名古屋・名鉄ホール、10月11日(土)から13日(月・祝)まで大阪・森ノ宮ピロティホール、10月25日(土)新潟・りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館 劇場、10月29日(水)に岐阜・大垣市スイトピアセンター 文化ホールを巡演。チケット発売中。

取材・文:園田喬し

いま人気の動画

     

人気記事ランキング