レアンドロ(柏レイソル) (c)J.LEAGUE PHOTOS レアンドロ(柏レイソル) (c)J.LEAGUE PHOTOS

『Jリーグ ヤマザキナビスコカップ』と言えば、23歳以下が対象のニューヒーロー賞が有名だが、最優秀選手賞も選出される。最優秀選手賞は予選リーグ、決勝トーナメントを通じた活躍ではなく、決勝のマンオブザマッチの意味合いが強い。決勝という大舞台でチームを優勝に導いたプレイヤーが受賞するのだ。

『ナビスコカップ』に得点王の表彰はない。だが、得点ランキングに意味はある。

得点ランクトップに名を連ねるのは、ヴァンフォーレ甲府のクリスティアーノだ。クリスティアーノはリーグ戦25試合で5ゴールと決定力不足が囁かれているが、『ナビスコカップ』では予選リーグ5試合で6ゴールとゴールラッシュを見せる。チームは予選リーグで敗退し、これ以上の上積みはない。「リーグ戦とカップ戦は別物」という常套句を地で行く結果となっている。

得点ランキング2位タイに位置する5人のうち、3人には逆転の可能性がある。柏レイソルのレアンドロ、工藤壮人、ガンバ大阪の宇佐美貴史がそれぞれ4ゴールを挙げているのだ。

柏の攻撃陣は見事である。1トップにレアンドロ、工藤、高山薫が2シャドウに入るトライアングルは、シーズンが深まるとともにコンビネーションを高め、現在阿吽の呼吸を具現化する。高山がスピードに乗ったドリブルからクロスをレアンドロ、工藤に供給すれば、レアンドロが前線でボールを収め工藤、高山の飛び出しを引き出す。流動的にポジションチェンジを繰り返し、相手DFに的を絞らせない。

宇佐美はスピードと卓越した技術で高い決定力を見せ付ける。怪我で序盤は出遅れた宇佐美だが、『ナビスコ杯』4試合で4ゴールをマークする。準々決勝では、対ヴィッセル神戸戦7試合連続ゴールという桁違いのキラーぶりも発揮した。リーグ戦でも17試合出場で8ゴールと10位タイにつける。パワフルな突破を誇るパトリックとのコンビネーションも上々である。ニューヒーロー賞の有力候補でもある宇佐美は日本代表に選ばれればアギーレ監督の力となり、選出されなければ長谷川健太監督の力となるだろう。

『ACL』で予選リーグを免除された川崎フロンターレ、サンフレッチェ広島のFW陣は、当たり前の話だが、上位得点者はいない。それでも大久保嘉人(川崎F)、佐藤寿人(広島)ともにきっちり1ゴールを挙げている。レナト(川崎F)の2試合2ゴールはさすがと言える。

得点王の称号はないが、この先アタッカー陣がゴールを重ねれば重ねるほど、トロフィーに近付く。

10月9日(木)・広島×柏・エディオンスタジアム広島はチケット発売中、10月9日(木)・G大阪×川崎F・万博記念競技場は9月28日(日)、10月12日(日)・川崎F×G大阪・等々力陸上競技場は9月27日(土)に一般販売。