『猿の惑星:新世紀(ライジング)』 (C)2014 Twentieth Century Fox

公開中の映画『猿の惑星:新世紀(ライジング)』の特別映像が公開になった。本作のタイトルは“猿”の惑星だが、劇中にはたくさんの人間たちも登場。進化した猿の出現によって故郷や愛すべき日常を奪われてしまった彼らのドラマも、観客を魅了している。

特別映像

本作の主人公は、独自の進化を遂げ、仲間を率いて人間に反旗を翻した猿のシーザー。彼は人間に育てられた記憶があり、絶滅の危機に瀕した人間たちと共存するべきか、それとも再び戦うべきかの間で迷い、苦悩する。

人間の支配から逃れ、森に本拠地を築いたシーザーたちと、謎のウィルスによってその数が激減した人間たちは、それぞれの場所で10年の時を過ごすが、ある時、人間と猿は再び顔を合わせ、両者の間に緊張が走る。シーザーは仲間を死なせたくないために争いを避けようとするが、進化した猿の出現によって愛する家族や仲間を失った人間たちの怒りはおさまらない。しかし、元をたどれば猿の進化は、人間が開発した薬によってもたらされたものだ。基本的に本作には“悪役”は存在せず、人間には人間の、猿には猿の事情や想い、過去があり、それぞれが衝突してしまう。

「猿のインパクトが強いから、人間役には観客が感情移入できる役者を選んだ」と監督のマット・リーヴスが語る通り、本作には繊細な感情表現に長けた俳優たちが集まった。『ダークナイト』トリロジーや『裏切りのサーカス』などの名優ゲイリー・オールドマンは、生き残った人間を率いるドレイファスを熱演。徹底的に猿たちを憎む理由が明らかになる場面は思わず涙がこぼれる名シーンになっている。また、シーザーと粘り強く交渉を続ける中で彼と友情が芽生えるマルコムを演技派俳優のジェイソン・クラークが演じている。クラークは「猿と人間はどちらも、相手に対する不信感や責める気持ちが強いんだ。人間の視点から見ると、彼らはウイルスのせいで味わった苦しみに対して怒りを感じている。10年前にラボでウイルスを作ったのは人間だったにもかかわらず、人間はその起因となった猿を不当に非難しているんだ」と説明。人間たちが愛する家族をこれ以上、失いたくないと思う一方で、猿のシーザーもまた愛する妻や息子のことを想って苦悩する。

本作はアクションがふんだんに盛り込まれたアクション大作でありながら、人間のドラマ、猿のドラマの両方に感情移入できるシナリオになっており、タイトルには登場していない“人間”のドラマにも注目したいところだ。

『猿の惑星:新世紀(ライジング)』
公開中