田中マルクス闘莉王(名古屋グランパス) (C)J.LEAGUE PHOTOS 田中マルクス闘莉王(名古屋グランパス) (C)J.LEAGUE PHOTOS

「フットボールは最後まで何が起こるかわからない」とは、サッカーを語る上での常套句だが、こと一発勝負のトーナメントにおいてはなおさらだ。10月11日(土)・15日(水)に準々決勝を迎える『第94回天皇杯全日本サッカー選手権大会』も然りである。ノックアウト方式で戦う『天皇杯』は毎年ジャイアントキリングが起こっている。今年もラウンド16までで、宮城県代表・ソニー仙台FCがJ1・鹿島アントラーズを、兵庫県代表・関西学院大学がJ1・ヴィッセル神戸を、奈良県代表・奈良クラブがJ 1・べガルタ仙台を下し、下克上を果たしている。

天皇杯全日本サッカー選手権大会 準々決勝 チケット情報

抽選で決まったカードは、J1で上位と下位と対照的なガンバ大阪×大宮アルディージャ、名古屋グランパス×清水エスパルスの東海ダービー、J1・セレッソ大阪×J2・ジェフユナイテッド千葉、J2同士のモンテディオ山形×ギラヴァンツ北九州となった。

J1リーグ6連勝中と快調な2位・G大阪×15位・大宮は、対戦成績で12勝6敗と、G大阪に分がある。リーグ戦8得点のFW・パトリック、宇佐美貴史の攻撃力は脅威だ。だがG大阪は10月12日(日)に『ナビスコ杯準決勝』をアウェーで戦い、中2日で挑む。コンディションで有利な大宮は、FW・ズラタンらの得点力でベスト4進出を狙う。

直近のJ1リーグ戦で、ともに勝利している名古屋×清水は、今週末の10月11日(土)に開催される。2回戦びわこ成蹊スポーツ大学、3回戦・コンサドーレ札幌、4回戦・FC東京と3戦連続ゴールを決めた清水・大前元紀、今シーズン通算14得点のノヴァコビッチが、DFながら公式戦11得点を挙げている田中マルクス闘莉王擁する名古屋の守備陣を崩せるかが鍵となる。

C大阪×千葉は、唯一ディビジョン違いの対戦となる。大熊裕司監督は、C大阪U-18監督時代に『高円宮杯U-18サッカーリーグ プリンスリーグ関西』優勝をもたらしている。大熊監督の指揮のもと、2010年『W杯』得点王&MVP・フォルランの爆発に期待がかかる。対する千葉は、4回戦・柏レイソルを延長戦の末PK12-11で撃破し、地力を発揮した。C大阪がJ1の意地を見せるか、千葉のジャイアントキリングなるか。

J2同士の対決となる山形×北九州は、順位表では北九州が4位、山形が8位だが、対戦成績では山形の4勝2敗。今季得点ランク6位・13ゴールの池元友樹(北九州)と、12ゴールのディエゴ(山形)、どちらの決定力が勝るのかに注目したい。4回戦では、山形はJ1・サガン鳥栖を、北九州はJ1・ヴァンフォーレ甲府を討ち破った。ベスト4を懸けて、白熱した試合を見せてくれるだろう。

『第94回天皇杯』準々決勝は、10月11日(土)・名古屋グランパス×清水エスパルス・名古屋市瑞穂陸上競技場、10月15日(水)・ガンバ大阪×大宮アルディージャ・万博記念競技場、セレッソ大阪×ジェフユナイテッド千葉・キンチョウスタジアム、モンテディオ山形×ギラヴァンツ北九州・NDソフトスタジアム山形にてキックオフ。チケット発売中。