『シン・シティ 復讐の女神』を手がけたロバート・ロドリゲス

フランク・ミラーとロバート・ロドリゲスのコンビが約10年ぶりにスクリーンに戻ってきた! 映像化不可能と称されたミラーのグラフィック・ノベルを映画化した『シン・シティ』の新たな物語を描いた『シン・シティ 復讐の女神』は全世界の待望の1作だ。そこで公開前に国際電話でロドリゲスに話を聞いた。

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『…復讐の女神』は原作の中でも人気の高い2エピソードと、ミラーが映画のために書き下ろした2話で構成。“シン・シティ=罪の街”を舞台に、ならず者、探偵、この世を去った刑事、復讐を企むストリッパー、謎の美女らが壮絶な駆け引きとバトルを繰り広げる。

原作の画をそのままスクリーンに投影したようなコントラストの強い白黒のビジュアル、独特の世界観とキャラクターとセリフ回し……『シン・シティ』はミラーの脳内をそのままスクリーンに映し出したようだ。「フランクのコミックを見ていると、構図の作り方とか、ストーリーの作り方を見ていて、彼には監督のマインドがあるなってわかったんだ。そこで、クリエイターが監督をする事で、元々のビジョンがもっとはっきりすると思った。色んな事を一緒にしたよ。一緒に決断して、非常に近しく一緒に仕事をしたんだ」。

ミラーの世界を完璧に実写化するため、前作同様、ロドリゲスは自宅にあるスタジオにCG合成用のグリーン・バックを設置して撮影に臨んだ。「自分のスタジオを15年以上持っているけれど、アイディアが沸いたらそれをすぐにトライできるところが非常に気に入っているね」。誰にも邪魔されることがない環境で彼らは納得のいくまで俳優と演技を組み立て、デジタルの力を借りて自由自在に世界を描いていく。しかし、現場にはミラーの存在が不可欠だ。「原作はモダンだけどクラッシックな面があり、アクション的でノワール的でもあるんだけど、それにおさまりきらない」というロドリゲスは「僕はいつも自分で脚本を書くけれど“シン・シティ”の世界観はほんとうにユニークだから自分で脚本を書かないで、その世界を監督して作っていきたいというふうに思った」という。

世界観やキャラクターをミラーが担い、ロドリゲスは映画をさらに過激に、リアルに、緊迫感あふれるものにするために尽力した。そこで彼が導入した新兵器が“3D映像”だ。「3Dにした理由は原作のスタイルに合うと思ったからだ。情報が必要最低限で映像が白黒な分、3Dを使えば より視覚に訴えられる。3Dにした事で、本当に『シン・シティ』の世界に入り込んでいるように感じると思うよ」。

前作は熱狂的なファンが多く、続編を望む声はこの10年、途切れることなく挙がっていたという。「ファンはずっと続編を待ってくれていてすごく励みになった。最善のキャスト、時期、技術、すべての機が熟すのを待っていたが、製作が決まってからは急展開でことが進んだよ」。

『シン・シティ 復讐の女神』
1月10日(土)、TOHOシネマズ スカラ座他全国ロードショー