『トラッシュ!-この街が輝く日まで-』(C)Universal Pictures

9日(金)から『トラッシュ!-この街が輝く日まで-』が公開になる。本作では『ラブ・アクチュアリー』などで監督を務めたリチャード・カーティスが脚本を執筆し、『リトル・ダンサー』『めぐりあう時間たち』のスティーヴン・ダルドリーがメガホンをとっている。

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映画は、リオデジャネイロの郊外でゴミ(トラッシュ)を拾って暮す3人の少年が、ゴミ山から秘密が隠されたサイフを拾ったことで、追われる身となり、必死に逃走を続けながら自らの正義を信じて、サイフに隠された謎の真相に迫ろうとする姿を描く。

本作はアンディ・ムリガンの小説が原作で、プロデューサーがまずカーティスに脚本を依頼した。彼は原作を読み「ものすごくエキサイティングな話で、映画を観ているかのように読みやすく、映画化できそうな展開が詰まっていた」と振り返る。同じ頃、「原作を読んで、子供が主役のアクション・スリラーを撮りたくなった」というダルドリー監督がプロジェクトに参加した。

「当初から、『ボーン』シリーズのようなスリリングな追跡映画になるチャンスがあると感じていた」とカーティスは、サイフの行方を追って執拗な追跡を続ける警察と、複雑に入り組んだリオの街を逃走する少年たちのドラマをスリリングに描き、さらに彼らが社会の問題について考え、立ち向かっていく過程を丁寧に描きこんでいった。「社会問題を扱う映画の多くは、何をすることもできない、何も変わらないという気持ちにさせられるが、事態は変えられると信じているし、実際に事態が好転する例もいくつも見てきた。本作では悪の要素を描きつつも、実は悪に対する戦いがテーマであり、決して絶望的な状況ではないことを証明しているんだ」。

そこでダルドリー監督は、舞台となったブラジルで実際に暮している子どもたちを起用して撮影することを決めた。「主役の3人には、当初からリアリティが必要だと思っていた。だから、演技経験のある子役を起用するつもりはなかった。彼らは映画のキャラクター同様に、それぞれ厳しい環境で育っていた。彼らにとっても、映画づくりを知る良い発見の旅だっただろう。僕にとっては、人生を変えるような出来事だった。これは真のブラジル映画であり、3人の少年たちの夢や希望が詰まった物語だ。この映画に携われたことを光栄に思うよ」。

これまでも演技未経験の俳優や子役を巧みに演出してきたダルドリー監督と、感動ドラマを数多く手がけてきた脚本のカーティスは、どんな“希望”のドラマを描き出すのか? 公開が楽しみだ。

『トラッシュ!-この街が輝く日まで-』
1月9日(金)TOHOシネマズ みゆき座ほか全国ロードショー