『CHaCK-UP ~ねらわれた惑星~』 『CHaCK-UP ~ねらわれた惑星~』

演劇制作会社のネルケプランニングが手掛けるアイドルステージ『プレゼント◆5』から生まれた“惑星アイドル”の「CHaCK-UP(チャックアップ)」。彼らメインの公演としては二作目となる『CHaCK-UP ~ねらわれた惑星~』が1月7日、初日の幕を開けた。舞台は前半で芝居、後半ではライブを贈る2部構成。芝居で彼らの素顔をバックステージものとして見せてから、「CHaCK-UP」に扮してライブを行うという仕掛けにもなっている。宝塚歌劇団や大衆演劇など、芝居とショーの2本立ては従来の娯楽作品では見られるものの、アイドル系のエンターテインメントでは極めてまれ。期待を胸にゲネプロの席に着いた。

『CHaCK-UP ~ねらわれた惑星~』チケット情報

SOJ学院の芸能科から選出されたアマミヤ(古谷大和)たち「CHaCK-UP」の面々は、ライブイベントを前にミーティングに余念がない。そんな中、アマミヤはメンバーのミナミの代わりに見知らぬ人間が座っていることに気づく。ところがナルカミ(影山達也)、ヒヤマ(中尾暢樹)、ヨシノ(古川裕太)、それに幼馴染のトキハラ(崎山つばさ)までが、その人間(福島海太)を“ミナミ”だと言い張る始末。混乱するアマミヤは、ついに追い詰められて…!? 続くライブは、アマミヤが天王星人のレイ、ヒヤマが火星人のマル、ヨシノが金星人のヴィー、ナルカミが木星人のジュジュ、そしてトキハラが土星人のドットになってのパフォーマンス。『プレゼント◆5』から大和京介(佐藤流司)と緑川桜哉(大平峻也)等がゲスト出演し、ライブを盛り上げる。

芝居とライブはどちらも1時間ほどで、今回の芝居はサスペンス仕立てになっているものの、アイドルの日常を軽いタッチで描いた印象。だが俳優が役を演じ、その役がアイドルを演じ…という何重もの入れ子構造になっている本シリーズでは、今はそれくらいがちょうどいいのかもしれない。生き生きと舞台や客席を駆け回る彼らを目で追い、それぞれの名前を覚える頃には、すっかり彼らを応援する心持ちになっていた。王道のアイドルポップスから打ち込み系まで、全力で歌い踊る後半のライブは、アイドル好きなら文句なしに楽しめる。歌とダンスだけでなく芝居でも魅せる、新型アイドル・エンターテインメント。その進化を、今後も楽しみに見守りたい。

舞台は1月18日(日)まで、東京・紀伊國屋サザンシアターにて。

取材・文:佐藤さくら