BUMP OF CHICKENにとって約3年半ぶりの全国ツアーとなった『BUMP OF CHICKEN 2011-12 TOUR「GOOD GLIDER TOUR」』の最終日、1月31日・Zepp Tokyoのライブ。4人はステージの上で、自らの音楽を奏で、歌い、そしてステージから去っていった。起こったことは、それがすべてだ。余計なものはなにもない、BUMP OF CHICKENという存在と自分自身という存在、そしてBUMP OF CHICKENの奏でる音楽だけがそこにある。音楽を通じて、バンドと自分が同じ時間を生きること。共に歌い、叫び、息をすること。そんな当たり前の行為が、こんなにかけがえのないものだったのだと気付かされた、まさに“ライブ”という言葉が相応しい2時間半だった。

写真:古溪一道
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3年半という長いスパンを空けて実現した今回のツアー。自分を含めすべてのファンが待ちに待った、待ち焦がれ尽くしたツアーである。とは言え、その間バンドと遠く離れていたという感覚は薄い。彼らはこの3年半の間、これまでにないペースで作品を世に放ってきた。2009年11月のシングル『R.I.P./Merry Christmas』を皮切りに、3枚のシングルをたて続けにリリースしたのち、2010年12月にアルバム『COSMONAUT』をドロップ。さらにその後にも4枚のシングルを発表してきた。これはBUMP OF CHICKENとしては言うまでもなく、一般的なバンドとしてもなかなかのハイペースと言えるだろう。MCでメンバーの直井由文が「みんなに届くように作っているから、レコーディングしてるときもライブと同じ気持ちなんだよ」と語っていたように、ライブという場こそなかったが、その間に生まれたたくさんのかけがえのない新たな楽曲たちを通じて、バンドの存在を近くに感じることができた3年半だった。

 

写真:古溪一道
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そうしてすばらしい楽曲が増えた一方、当然ながら一回のライブで演奏できる曲数は限られている。今回のツアーは最新アルバム『COSMONAUT』リリース後におこなわれる最初のツアーだったわけだが、アルバムの収録曲がすべて披露されたわけではなかったし、個人的には、その中に特に聴きたかった曲が含まれていたりもした。しかしそこで不思議なほど残念な気分にならなかったのは、これまで以上に、いまのBUMP OF CHICKENの音楽をどれだけ純度高く伝えることができるか、というバンドの強い想いが反映されたセットリストとなっていたからだ。例えば、バンドの宣誓とも言える歌詞とリズミカルな変拍子で一気に会場の温度を上げた1曲目『三ツ星カルテット』から、『宇宙飛行士への手紙』への流れ。『宇宙飛行士への手紙』という曲は、過去と未来、得ることと失うこと、覚えることと忘れること、それらの挟間でいまを生きるということの美しさと残酷さを描ききった、BUMP OF CHICKENが伝えてきた世界観の集大成といえる楽曲だと思っている。そんなコアなナンバーを、再会の挨拶もそこそこにいきなり放りこまれたとき、このツアーにかけるバンドの想いの強さをひしひしと感じたのだった。