舞台「カレフォン」稽古場より 舞台「カレフォン」稽古場より

廣瀬智紀と川栄李奈のW主演×鈴木おさむ作・演出の舞台「カレフォン」が10月4日(木)に開幕する。切ない“泣き恋”を描く本作の稽古場に潜入した。

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何をやってもうまくいかない日々を過ごす茜(川栄)の今はもう使っていないスマホから聞こえてきたのは、2年前に病気で死んでしまったはずの恋人・駿(廣瀬)の声だった――という本作。5人芝居で、廣瀬と川栄に加え、茜の職場の社長の息子・桐生陸を戸塚純貴、茜の同僚・花田裕美を柳美稀、茜の上司・玉木健一など複数役を山崎樹範が演じる。

稽古が始まって約1週間というこの日は前半の稽古が行われていた。派遣社員として働く茜は覇気がなく、元ヤンの同僚・裕美(柳)と、SNSの裏アカウントに愚痴を書き込む嫌みな上司・玉木(山崎)と共に、どんよりとした空気漂うクレーム課で働いている。どこか諦めた雰囲気の川栄は、これまで舞台で見せてきたどの役柄ともまた違う姿だ。駿の高校時代もまた諦めムードが漂うシーン。野球部のエースだった彼が、他人の夢を背負わされた結果、怪我で未来が閉ざされるという悲しい展開で、自分を追い詰めた相手に嫌みを言う廣瀬は、冒頭でみせる茜にやさしく接する姿からは想像もつかないような表情や言動をみせる。そんなふたりを取り巻く、戸塚、柳、山崎。戸塚は有能でやる気溢れる社長の息子を、柳は気は強いがサバサバとした茜の同僚を、生き生きと演じ、茜の淡々とした日々をテンポよくみせていく。山崎は、茜の現職場の上司に加え、駿の野球部時代のコーチや、茜と駿が出会ったバイト先の上司などさまざまな役をインパクト大に演じわけ、ひとつひとつで笑いを起こしていた。

それぞれの過去や現在を描くなかでも、駿と茜の恋が始まり深まっていくシーンは本作ならではの見どころのひとつ。惹かれ合い、互いが見せる変化、特に心を閉ざしていた駿からふいにこぼれる笑顔は、これぞ恋愛ものの醍醐味!とでもいいたくなるような威力があり、それに対して茜の戸惑いながらも滲み出る嬉しそうな表情も魅力的。そのぶんその後の展開がより辛くなること必至ではあるが、ふたりの甘い変化にぜひ注目してほしい。

大塚愛初となる書き下ろし舞台主題歌『Dear, you』も楽しみな舞台「カレフォン」は、10月4日(木)から21日(日)まで東京・オルタナティブシアターで上演。その後、大阪、広島、埼玉、宮城、北海道を巡演する。

取材・文・撮影:中川實穂

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