『あの日の声を探して』(C)La Petite Reine / La Classe Americaine / Roger Arpajou

『アーティスト』のミシェル・アザナヴィシウス監督が手がける新作『あの日の声を探して』の予告編映像が公開された。映画は、ロシアに侵攻されるチェチェンで、壮絶な運命に翻弄されながらも懸命に生きようとする少年の姿を描いた感動作だ。

『あの日の声を探して』予告編

アザナヴィシウス監督がフレッド・ジンネマン監督の名作『山河遥かなり』から着想を得て製作した『あの日の声を探して』。1999年のチェチェンを舞台にした本作は、チェチェンに隣接するグルジアでロケを行い、リアリティを追求するため全編手持ちカメラで、ロケ中もセットをほとんど使わず、合成映像も使わずに制作された。主人公の少年ハジを演じるのは、オーディションで選ばれた素人のチェチェンの少年だ。

このほど公開された予告編映像では、ロシア軍の攻撃によって両親を目の前で殺された少年ハジが、まだ赤ん坊の弟を胸に抱き、軍の容赦ない攻撃の中、安全な場所へと非難する姿が描かれる。街へたどり着いたハジは、フランスから調査に来たEU職員のキャロルと出会う。だが、大きなショックを受けた彼は、声を発することができなくなっていた。

「私が監督として立ちたい場所にある作品」というアザナヴィシウス監督は力強い意思をもって本作を完成させた。狂気の世界で声を失った少年がどうしても伝えたかったこととは一体なんなのか? 少年の姿を通して監督が私たちに投げかけているものとは? 予告編は、短い映像の中にも壮大なテーマが感じられる内容になっている。

『あの日の声を探して』
4月24日(金)TOHOシネマズ シャンテ他全国順次公開