今年2月以降、レコード会社やレーベルによる音楽イベントがいくつか開催される。本日2月19日開催のEMIミュージック・ジャパンによる屋内フェス『EMI ROCKS』、キューンレコード20周年を記念し4月7日から20日間にわたり行われる『キューン20イヤーズ&デイズ』、4月21、22日に開催されるレーベル・POPGROUP Recordingsによる恒例フェス『KAIKOO POPWAVE FESTIVAL』など、いずれも各レーベルのカラーが反映された個性豊かなイベントばかり。

そんなレーベル発イベントの代表的存在と言えば、夏の風物詩として長きにわたり愛されている、音楽制作プロダクション“オフィスオーガスタ”による夏フェス『Augusta Camp』だ。

   
オフィスオーガスタは、BARBEE BOYSのメンバー杏子のソロ活動開始の際に設立され、これまでに山崎まさよし、スガシカオ、スキマスイッチ、元ちとせ、秦基博らを世に送り出している。そんなオフィスオーガスタによる『Augusta Camp』の大きな特徴と言えば、所属アーティスト同士のコラボレーションの多さだろう。例えば'10年の開催では、デビュー15周年を迎えた山崎まさよしのトリビュートというテーマを設け、本人とのコラボも含め出演アーティストたちが彼の楽曲をそれぞれカバー。また昨年の'11年には、ついに全編コラボレーションによるステージを繰り広げた。

 

 
 

 

   
また所属アーティストが集まって福耳というユニットを結成し、『星のかけらを探しに行こう Again』や『惑星タイマー』といったナンバーを発表するなど、アーティストの横のつながりが非常に深いことも、オフィスオーガスタの特徴だ。雑誌などでの対談やフェスでのMCを見ると、アーティスト同士のあまりの仲のよさに驚くこともしばしば。自分の中では<オフィスオーガスタ=家族>と言っていいほど、アットホームなレーベルという印象がある。

 

 

 

2月22日に“福耳 + All Stars”名義でリリースされる、オフィスオーガスタ20周年記念の2枚組ベストアルバム『ALL SONGS MUST PASS-Office Augusta 20th Anniversary BEST-』には、そんなオーガスタの歴史をギュッと凝縮した、計28曲が収められている。共通するのは、それぞれが唯一無二の強烈な個性を発揮しながら、最終的に親しみやすく、とっつきやすい大衆性をたたえていることだ。逆に言えば、非常に優秀なポップスとしてスッと聴き手の心の中に入り込んだ隙に、体の深い部分に心地良い傷を残すような、絶妙なさじ加減。その一筋縄ではいかない独特の味わいこそ、オフィスオーガスタ最大の魅力なんだと思う。

昨年は海外アーティストBELAKISS(ベラキス)を迎えるなどさらにレーベルの幅を広げる中、今年も『Augusta Camp 2012』の開催が決定している。20周年という記念すべき年だけに、アーティストにとってもオーガスタファンにとっても、忘れられない特別なフェスティバルになるはず。また夏に先駆けて、直近の2月25日には、山崎まさよし、スキマスイッチ、秦基博の3組と服部隆之による一夜限りのコラボレーションが実現する『A Night With Strings』が日本武道館にて開催される。流麗なストリングスの響きと、各人の世界観がいかに融合するのか。いずれにせよレアなステージとなることは間違いない。オフィスオーガスタ20周年のアニバーサリーイヤーは、ここから夏に向けて多いに盛り上がりそうだ。


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