宇佐美貴史(ガンバ大阪) (C)J.LEAGUE PHOTOS 宇佐美貴史(ガンバ大阪) (C)J.LEAGUE PHOTOS

国際Aマッチのピッチで、これほどJリーガーたちが躍動したのはいつ以来のことだろうか。日本代表がウズベキスタンを5-1で粉砕した3月31日『JALチャレンジカップ』の話である。

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素晴らしいゴールラッシュだった。試合後、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督が「ブラボー!」「スペクタクル」と何度も口にしたのも頷ける内容だ。前半6分に青山敏弘(サンフレッチェ広島)のスーパーボレーで先制すれば、後半9分に岡崎慎司(マインツ)が代名詞のダイビングヘッドをズバリ。ウズベキスタンの足が止まった後半35分からは途中出場のJ1戦士たちが立て続けにゴールを奪う。柴崎岳(鹿島アントラーズ)が岡崎の“アシスト”を受け、42mの超ロングシュートで追加点を奪えば、38分に宇佐美貴史(ガンバ大阪)がファーストタッチでDFの間を抜けるテクニカルな代表初ゴールを決め、試合終了間際に川又堅碁(名古屋グランパス)が泥臭い代表初ゴールで締めた。

ゴールシーンだけではない。DF・森重真人(FC東京)は川又へのアシストだけではなく、タテを意識したパスを連発し、同じくFC東京のSB・太田宏介は高精度なクロスを披露、本来のセンターバックではなくボランチに入った水本裕貴(広島)も中盤の底でブロックを築いた。

2-0で初陣を飾った3月27日・チュニジア戦を含めた2試合で、25名のフィールドプレイヤー全員をピッチに送り出した上での結果である。それでも、ハリルホジッチ監督は「私のやり方ではメンバーを固めることはない」と断言した。さらに「今後も現地で試合を見て、誰が調子がいいか見極めていく。日本のすべての選手を見たいし、これからの代表合宿でチャンスを与えたい」と続けた。事実今回の代表メンバー発表前日に視察した、『ナビスコカップ』川崎フロンターレ×名古屋で、2得点を決めた川又と1ゴールの永井謙佑(名古屋)、好調を維持する小林悠(川崎F/ケガで離脱)を招集し、タレントを感じさせる車屋紳太郎(川崎F)をバックアップに選出した。

そう、新指揮官は常にJリーグ、欧州各国のリーグに目を光らせているのだ。今回、日本代表でアピールした選手たちは各クラブへ戻って、日常の戦いに臨む。『明治安田生命J1リーグ』は4月3日(金)・4日(土)に迫っている。4月3日(金)・鹿島×サガン鳥栖、G大阪×名古屋、4月4日(土)・FC東京×ヴァンフォーレ甲府、広島×ヴィッセル神戸でウズベキスタン戦で存在感を見せたJリーガーたちが引き続きアピールする。そして、すべてのJリーガーが次の代表を睨み、熱戦を繰り広げる。日本代表の強化は、日々のJリーグが担う。チケット発売中。