大久保嘉人(川崎フロンターレ) (C)J.LEAGUE PHOTOS 大久保嘉人(川崎フロンターレ) (C)J.LEAGUE PHOTOS

4月12日(日)の『明治安田生命J1リーグ』1stステージ第5節は、ホームで迎え撃つ川崎フロンターレにとっても、アウェイに乗り込む浦和レッズにとっても、今後を占う重要な90分間となるだろう。

4月12日(日)川崎対浦和 チケット情報

3勝1分で首位を走る浦和は、ここまで4試合中3試合はJ1昇格組との対戦となった。例年、下位を相手に勝点を取りこぼすことも少なくなかった浦和にとって、きっちり勝点9を積み重ねたのは大きい上、がっちり引いて守備ブロックを敷く相手のゴールをこじ開けたことはペトロヴィッチ監督も満足の色を見せている。だが、一方で対戦カードに恵まれた感は否めない。しかも、『ACL』では1分3敗とリーグ戦での勝負強さが全く見られない不安要素もある。優勝戦線に絡んでくるであろう川崎Fを相手に、浦和は『明治安田J1』の顔を見せるのか、『ACL』の顔を覗かせるのか、興味深い。

2勝1分1敗の勝点3差で浦和を追う4位・川崎Fとしては、ここで一気に勝点で並びたいところ。序盤5試合でV戦線を語るのは決して早計ではない。2ステージ制となる今季は第5節終了時でも勝点6差はステージ優勝から後退することを意味する。全17試合でのポイント争いは、ライバルが多数存在することになる。首位を走るクラブの失速があったとしても、上位陣が揃って足踏みするとは考えられない。第1節・横浜F・マリノス戦は3-1、前節・アルビレックス新潟戦は4-1と自慢の攻撃力を見せ付けながら、第3節・モンテディオ山形戦では内容も押され、0-1で黒星を喫した。川崎Fもまた、シーズン序盤ならではの不安定さを解消してはいない。

両軍の得点者の顔ぶれは対照的だ。川崎Fは9得点中、大久保嘉人が4ゴール、レナトが2得点、小林悠、新戦力の杉本健勇がそれぞれ1ゴールとFW陣の得点の大半を占める。片や浦和は全5得点中、FWのゴールは開幕戦の興梠慎三の1点のみ。これをどこからでも点を取れるという見方をするかどうかは判断が分かれる。ズラタン、石原直樹、高木俊幸ら新戦力が多い1トップ2シャドーは日に日にコンビネーションを高め、決定機も増やしているが、あくまで「惜しい!」シュート止まりなのが気になる。戦線離脱中の興梠慎三もケガでトップフォームではない。決めるべき局面で決めるべき人間が決めている川崎Fとの違いは明白だ。

ただ、守備面では浦和の完成度が高い。スタイルや対戦相手は異なるものの、川崎Fは5失点を喫しているが、浦和は1失点のみ。

4月12日(日)・等々力陸上競技場でのゲームは川崎Fが打ち合い上等で攻撃力を発揮するのか、浦和が堅守を生かし僅差の勝負をものにするのか。リーグ戦の通算対戦成績は浦和の8勝5分7敗、両軍の得点は全く同じ31点という拮抗した戦いが、『明治安田J1』1stステージのターニングポイントとなる。チケット発売中。