柏木陽介(浦和レッズ) (C)J.LEAGUE PHOTOS 柏木陽介(浦和レッズ) (C)J.LEAGUE PHOTOS

前節、浦和レッズが等々力陸上競技場で披露したサッカーには、新鮮な驚きがあった。ホームで迎え撃つ川崎フロンターレと対峙した浦和は前半、ボールホルダーに対しある程度距離を保つ守備ブロックを見せたのだ。ペトロヴィッチ監督が就任して以来、浦和は一貫してポゼッションと最終ラインからパスを構築する攻撃サッカーを実践してきた。試合を支配し、勝点をモノにしてきたが、オープンな展開で勝点を落としたり、がっちり引いた相手を攻めあぐねカウンターを食らうことも少なくなかった。何よりも昨年、一昨年と終盤に失速を余儀なくされた。

4/18(土) 浦和レッズ対横浜F・マリノス 開催情報

“三度目の正直”を狙う今季、ある意味哲学に反し、結果を追い求めたのが川崎F戦と言える。ただ、前半にDF・車屋紳太郎の突破からMF・森谷賢太郎に先制点を献上し、後半は一転、ボール保持率を高め、相手ボールとなればハイプレスをかける、いつもの形で1点を追う。試合終了間際、MF・柏木陽介のフリーキックをFW・ズラタンが頭で合わせて、同点としたのだった。

4月18日(土)・埼玉スタジアム2002でのゲームでは、浦和はどんな戦術で臨むのか。相手は2勝2分1敗・勝点8で7位につける横浜F・マリノスだ。『明治安田生命J1リーグ』1stステージ開幕戦・川崎F戦こそ1-3の完敗を喫したが、その後、1位タイ・FC東京、5位・サガン鳥栖、8位・柏レイソル、4位・ベガルタ仙台と厳しい相手との連戦ながら、無敗で乗り切った。3勝2分と首位タイの浦和を叩き、さらに上を目指したいところ。

朗報がある。左足首の手術を敢行した中村俊輔が、早ければ浦和戦でベンチ入りの可能性がある。もし、中村が不在でも、不安はない。横浜FMは相手ボールの出どころに狙いを定め、ボールを奪えば、手数をかけず縦に速い攻撃を仕掛ける。持ち前のパワープレーも健在だ。何よりも、FW・アデミウソンの存在感がひと際光る。若きブラジルの至宝は、卓越した技術と広い視野で周りを動かす。個の力に頼って独力突破を図るわけではなく、アタッカー陣とのコンビネーションを発揮する。さらに連動性が高まれば、脅威になることは間違いない。

浦和は昨季最小失点の横浜FMのお株を奪う、2失点とリーグ最少タイの堅守を見せる。ただ、湘南ベルマーレとの開幕戦で3点を奪ったが、その後『ACL』も含め6試合で4得点と攻撃陣が鳴りを潜めているのが気になる。阿部勇樹とボランチを組む柏木にはゲームをコントロールするパスとともに、ゴールに直結する働きが望まれる。

浦和×横浜FMの対戦成績は通算で横浜FMが25勝4分19敗とリードするが、昨季は浦和がともに1-0で勝利を飾った。4月18日(土)・埼玉スタジアムでの『明治安田J1』1stステージ第6節は、果たしてどんな結末が待っているのか? チケット発売中。