「夜のPFF 課外授業 入門! インディペンデント映画」に登壇した成島出監督

PFF(ぴあフィルムフェスティバル)が企画・制作し、自主映画の名作群を上映するイベント「夜のPFF 課外授業 入門! インディペンデント映画」が5月30日に、東京・テアトル新宿で開幕。この日はPFF出身で、今年『ソロモンの偽証』前後編が連続公開された成島出監督が出席し、当時の思い出や映画監督を志すきっかけを明かしたほか、映画監督を目指す若者に「やりたいことを思いきりやって、自分の個性を見出して」とエールを送った。

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「新しい才能の紹介・発見・育成」をテーマに、1977年より続いているPFF。当時23歳だった成島監督は第9回ぴあフィルムフェスティバル(1986年)にて、緑色の性器を持つ女みどりと、彼女を愛する3人の男を描いた『みどり女』が高く評価され、映画業界の門をたたくことになる。「上映会の打ち上げで、審査を務めていた大島渚監督から『君なら、映画監督になれるよ』って言われて」(成島監督)。その後は助監督、脚本家として経験を積み、遅咲きながら2004年公開の『油断大敵』で監督デビューを果たした。

「今はテレビやハリウッド映画の影響なのか、若い人たちがつくる作品も均一化していて、上手だけど突き抜けていない印象がある。プロも含めてですけどね。だから、自主製作では下手でもいいから、思いきり。そこから個性が見えてくるはずだから」と成島監督。最新作『ソロモンの偽証』について「ある人が『高速道路を逆走するような映画』だと評してくれた。一番の褒め言葉で嬉しかった」と貫いた個性に胸を張った。

トーク後には『みどり女』、同じ1986年に映画ファンを熱狂させたPFF入選作『いそげブライアン』、1990年に矢口史靖監督が放った衝撃作『雨女』を8mm映写機で上映。『みどり女』は140分の長編作品のため、上映途中にフィルムの掛け替えが行われ、来場者は当時の雰囲気を味わった。また、成島監督に多大な影響を与えたジョン・カサヴェテス監督の『アメリカの影』の貴重な35mmフィルム上映も行われた。

夜のPFF 課外授業 入門! インディペンデント映画
開催中~6月5日(金)連日21時上映
会場:テアトル新宿