『繕い裁つ人』(C)2015池辺葵/講談社「繕い裁つ人」製作委員会

中谷美紀が主演し三島有紀子監督が手がけた映画『繕い裁つ人』のブルーレイ&DVDが9月2日(水)に発売されることが決定し、中谷と三島監督がコメントを寄せた。

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『しあわせのパン』『ぶどうのなみだ』では食と人をテーマにしてきた三島監督が、池辺葵の同名コミックを原作に、“着ることと生きることの切っても切れない関係”を描いた本作。監督は「8年前に“その人のためだけに作られるオーダーメイドというものを深く見つめた仕立て屋の映画”を作りたいと思い、企画書を書いてひとりでいくつもの映画会社をまわっていました。そして、最初にできた戦友が中谷美紀さんでした」と明かす。

映画は、祖母から“南洋裁店”を引き継いだ2代目の店主・市江(中谷)を主人公に、職人スタイルを貫き、古びたミシンで作るオーダーメイド服に魅せられたなじみの客たちと、市江の才能に惚れ込み、ブランド化を依頼するデパートの営業マン・藤井(三浦貴大)ら、彼女を取り巻く人間模様が描かれる。

中谷は「友人知人には、物作りに生涯を捧げている方が何人もおり、気まぐれで移り気な私には、そうした方々の揺るがぬ姿勢やものを慈しみ、大切に扱う暮らしぶりがとても崇高なものに思えます」といい、「その一方で、素晴らしい作品を作ることには長けていても、それをこの世に広めることには尻込みしてしまう、慎ましい職人気質にもどかしさを感じたりもしていました。とりわけ市江のように丁寧に、頑固に、洋服を作っている友人へ長年抱いていた思いを、この作品のなかで藤井が代弁してくれていたので、仕事というよりは、好きなことを思う存分させていただいたというような感覚です」と語っている。

三島監督は「『今生きているお客さまには、今生きている私にしか、作れないんですもの』市江の台詞で、一番好きな台詞です。もしこの映画が、市江の仕立てる服のように、みなさまの“大切なひとつ”となって一生寄り添っていけたら、それはこの上ないしあわせです」とコメントを寄せている。

『繕い裁つ人』
ブルーレイ&DVD 9月2日(水)リリース
ブルーレイ:5500円+税
DVD:4700円+税

発売元:ポニーキャニオン