世界最古の洞窟壁画 3D 忘れられた夢の記憶』トークショーに急きょ参加した糸井重里

南フランスに実在する、約3万年前に描かれたショーヴェ洞窟の壁画を3Dで映像化したドキュメンタリー作品『世界最古の洞窟壁画 3D 忘れられた夢の記憶』の一般試写会が1日に行われ、写真家の石川直樹氏と大学教授であり写真家の港千尋氏によるトークショーが行われた。

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本作は、『フィツカラルド』『バッド・ルーテナント』の巨匠ヴェルナー・ヘルツォーク監督が、フランス政府の許可を得て初めて洞窟内の撮影に成功し、3Dカメラで300点以上の壁画を捉えた作品。日本語版のナレーションを俳優のオダギリジョーが務めている。

世界中の壁画をめぐり撮影してきた石川は、「壁画を写真で撮るには限界があり、今回3Dによって洞窟の奥行きや壁面の詳細が描かれていて僕にとっては至福の作品」と絶賛。港も「洞窟内に二酸化炭素が入るとカビが生えてしまうので、ヘルツォーク監督はたった6日間しか撮影が許可されず厳しい状況だったよう。それでも本作は単なるドキュメンタリーではなく、科学的で芸術的な事実を世界中に知らせる使命を持った作品に仕上がっている」と話した。トークショーの途中では、この日試写会に来ていたコピーライターでエッセイストの糸井重里も参加し、「監督の、3万年前の人たちに対する憧れと敬意がこもっていてとても嬉しかった。見た人には、自分の考えを足したり引いたりして感じてほしい」と話した。

最後に石川は、「この作品はDVDではなくて劇場で観てほしい。映画館自体が洞窟のような場所だし、壁画を3Dで観るこの体験はなかなかできないと思います」とPR。“古代の美”であるショーヴェ洞窟の全貌を捉えた本作は3月3日(土)より3週間限定で全国公開される。

『世界最古の洞窟壁画 3D 忘れられた夢の記憶』

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