写真左より、上賀茂神社(賀茂別雷神社)宮司・田中安比呂氏、梅若玄祥。 写真左より、上賀茂神社(賀茂別雷神社)宮司・田中安比呂氏、梅若玄祥。

4月5日(木)に世界遺産文化登録の京都・上賀茂神社(賀茂別雷神社)細殿にて、『第四十二回 賀茂別雷神社式年遷宮奉賛 「世界遺産で舞い唄う」~祈り~』が行われる。本作は、能楽観世流シテ・梅若玄祥らによる演能とソプラノ歌手・尾崎比佐子による独唱、さらに梅若玄祥、尾崎の2名によるコラボレーション舞台を奉納するもの。3月6日、公演に先駆け梅若玄祥による製作記者会見が行われた。

『第四十二回 賀茂別雷神社式年遷宮奉賛 「世界遺産で舞い唄う」~祈り~』チケット情報

上賀茂神社で行われる玄祥舞台は、2008年3月30日に上演された世界的なバレエダンサーのマイヤ・プリセツカヤとの『ボレロ』の共演以来、4年ぶりのこと。今回は、200回近く上演しているという定番演目『土蜘』と、尾崎とコラボレーションする能舞『祈り-アヴェ・マリア』、さらに尾崎による『ラルゴ』、『私のお父さん』(オペラ「ジャンニ・スキッキ」より)、『あたりは沈黙に閉ざされ』(オペラ「ランメルモールのルチア」より)の独唱という3部構成で展開する。

玄祥は「『土蜘』は、簾をまくところが注目されがちですが、今回は能としてきっちり成り立つものを上演できたら。細殿の空間を生かした、視覚的な面白さでも見せたい」と意気込む。一方、かつては9.11の犠牲者追悼のためにニューヨークでも演じたという『祈り』については、「本公演では東日本大震災で亡くなられた方々の思いを代弁する気持ちで舞います。尾崎さんの歌う『アヴェ・マリア』では、即興で舞おうと考えています」と語った。

公演は4月5日(木)に京都・上賀茂神社(賀茂別雷神社)細殿にて開催。チケットは発売中。