武藤雄樹(浦和レッズ) (c)J.LEAGUE PHOTOS 武藤雄樹(浦和レッズ) (c)J.LEAGUE PHOTOS

踏みとどまるか、このままズルズル後退するのか。浦和レッズにとって、『明治安田生命J1リーグ』2ndステージ第5節・ヴァンフォーレ甲府戦は、今後を占うターニングポイントになるだろう。

浦和×甲府 チケット情報

1stステージを無敗で優勝まで駆け抜けた浦和だが、2ndステージ第3節・サンフレッチェ広島戦で今季初黒星をつけられると、前節も名古屋グランパスに逆転負けを喫した。これで、2ndステージは1勝1分2敗で13位となった。年間順位でも首位の座を広島に明け渡し、2位である。

内容は悲観すべきものではない。広島戦は相手のシュート12本に対し、浦和は23本ものシュートを浴びせた。しかし、関根貴大の先制ゴールの後、幾度もあった決定機をものにできずに、逆転を許したのだった。試合後のペトロヴィッチ監督は、敗戦にも「(監督に就任してからの)3年半でベストゲームに数えられる試合内容だった」と評価した。

名古屋戦はDF・森脇良太が22分に退場となったが、ひとり少ない浦和がゲームを支配した。シュートも名古屋の10本に対し、13本放ったが、得点は19分のオウンゴールのみ。2試合連続の逆転負けとなった。

思い出されるのが、昨年や一昨年の終盤戦である。最終ラインからショートパスをつなぎ、圧倒的なボール支配率を保ちながら、結果が伴わずに失速した。広島戦も名古屋戦も、いい内容のサッカーを展開しながら勝てない、2013・2014シーズンと重なるゲームだった。指揮官も「内容のいいサッカーを2試合できているが、連敗しているということは非常に良くない流れだと感じている」と危機感をあらわにした。

悪い流れを断ち切るために、必要なのはゴールだ。チームで連動したアタックを見せている。決定機も十分作っている。あとは決めるべきところで決めるだけだ。2ndステージこそ4得点だが、武藤雄樹の9ゴールを筆頭に興梠慎三が8得点、梅崎司が6得点、ズラタン、関根が5得点とアタッカー陣はバランスよくゴールを重ねている。だからこそ、次の試合が重要になる。

埼玉スタジアム2002に乗り込む甲府は、浦和と同じ1勝1分2敗ながら得失点差で12位につける。守備的な戦い方が予想される甲府としては、少ないチャンスを決め切ることで勝点を持ち帰りたいところ。前線にはバレーがいる。8年半ぶりに古巣に戻ってきた長身FWは1stステージ第11節から出場すると、すでに4ゴールをマークする。ディフェンシブに戦い、浦和の攻撃を耐え抜き、カウンターやセットプレーから活路を見出すつもりだ。

浦和は対甲府で6勝4分1敗と相性の良さを誇る。甲府も1st第8節こそ0-2で敗れたが、その前の浦和戦は3試合連続ドローと食らい付いている。浦和×甲府は7月29日(水)・埼玉スタジアムでキックオフ。チケット発売中。