第24回 東京国際映画祭で行われている“TIFF ARIGATO プロジェクト”

現在、東京・六本木ヒルズをメイン会場に開催されている「第24回東京国際映画祭」では、3月に発生した東日本大震災を受けて“TIFF ARIGATO プロジェクト”が展開中だ。震災の影響で、当初は中止や規模縮小も検討されていた同映画祭が「人に夢と希望を与える素晴らしい芸術文化である映画を通して、喜びや感動、勇気を届けることが役割」とし、日本復興に貢献しようとさまざまな支援活動に取り組んでいる。

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今年は会場周辺で募金箱を持ったスタッフの姿を多く見かける。取り組みの一つである“TIFF ARIGATO 募金”だ。2008年から実施されているグリーン募金の延長として、“緑の東京募金”、“木下の森”、“ローソン緑の基金”に加えて、被災地での映画上映を行っている“シネマエール東北”の4団体に寄付することを目的に、映画祭会期中に募金活動が行われている。募金をすると緑リストバンド・TIFF ARIGATOバンドがもらえ、復興支援への参加感、一体感をより実感することができる。また、映画祭の公式サイトではチャリティーオークションも実施されており、特別オープニング作品『1911』に主演するジャッキー・チェンの直筆サイン入りTシャツなどが出品中。もちろん売上収益は募金として寄付される。

また、「震災を越えて」と名づけた特別上映枠が急きょ設けられ、『がんばっぺ フラガール!~フクシマに生きる。彼女たちのいま~』(小林正樹監督)、『ギリギリの女たち』(小林政広監督)など被災地発の映画を上映。現地の状況と、そこに暮らす人々の前向きな姿を知ることで、関心を高め、募金だけではできない精神的なサポートを目指す。

10月25日には招待制の特別上映会「TIFF in 仙台」がMOVIX仙台で開催され、『ハルのふえ』『ステキな金縛り』『カイジ2 ~人生奪回ゲーム~』『三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船』を一般公開に先駆け上映。当日は『ステキな金縛り』の三谷幸喜監督と西田敏行が、会場で舞台あいさつに立ち、「東北が元気になる手助けになれば、この上映会は意義あるものだと思う」(西田)、「コメディ映画は勇気とパワーを与えるもの。この作品が元気の源になれば光栄です」(三谷監督)と現地にエールを送った。

「今回は映画の持つ力、夢、希望を与えられる映画祭にしたい。“TIFF ARIGATO プロジェクト”をテーマに皆様に感謝を伝えたい」とオープニングセレモニー(22日)で挨拶した依田巽チェアマンの言葉通り、映画祭に参加することで“できること”が数多くある。その後押しをするのが“TIFF ARIGATO プロジェクト”なのだ。

「第24回東京国際映画祭」
30日(日)まで開催中