『さようなら』(C)2015「さようなら」製作委員会

人間と本物のアンドロイドが共演する映画『さようなら』の予告編映像が公開になった。劇作家・演出家の平田オリザと、ロボット研究を続ける石黒浩教授が共同で研究・創作を続けてきた同名演劇を映画化した作品だ。

『さようなら』予告編

本作の舞台は、放射能に侵され、日本国民が“棄国”を選択した近未来。主人公の女性ターニャは外国からの難民で、病弱な彼女をサポートするアンドロイドのレオナと暮しているが、彼女の避難順は来ないまま、周囲の人々が去っていき、死が迫るターニャと、死を知らないレオナは“最期”の時を迎える。

本作の原作になった舞台『さようなら』は、青年団を主宰する平田オリザと石黒浩教授が大阪大学で2007年から共同で研究・開発してきたプロジェクトの一環として上演されたものだ。舞台は、ひとりの女性とアンドロイドが生と死を見つめる静かな作品で、その後に第2幕が書き加えられた作品も上演された。実際に舞台に登場するのは、生身の俳優と、プログラミングされたアンドロイドだが、人間の言語、仕草、線の動きを徹底的に見つめ、研究してきた平田の演出によってアンドロイドの“演技”は高い評価を集めている。このほど公開された予告編でも、人間の俳優と、CGでも合成でもない実物のアンドロイドが同じ空間の中で自然に会話をしており、これまでの映画にはない描写や表現が描かれることになりそうだ。

映画の脚本と監督を務めたのは、『歓待』『ほとりの朔子』などの作品で海外からも高い評価を集める深田晃司監督で、ブライアリー・ロング、新井浩文、村上虹郎らが出演する。

『さようなら』
11月21日(土) 全国ロードショー