ブロードウェイミュージカル『ピピン』 撮影:Shinobu Ikazaki ブロードウェイミュージカル『ピピン』 撮影:Shinobu Ikazaki

ミュージカル『シカゴ』や映画『キャバレー』のボブ・フォッシーによる演出・振付の名作をリバイバルした話題のブロードウェイミュージカル『ピピン』が日本初上陸し、9月4日に開幕。エキサイティングな新演出でよみがえった舞台に、観客は熱狂した。

ミュージカル『ピピン』チケット情報

1972年初演のオリジナル版『ピピン』は、1972年度のトニー賞5冠を獲得しブロードウェイを席巻した人気作。今作でも2013年度トニー賞のミュージカル部門・最優秀リバイバル作品賞ほか4部門を始め、主要演劇賞を独占するという快挙を成し遂げ、新たな名作としてみごとに生まれ変わった。

新演出を務めたのは、2008年にロックミュージカル『ヘアー』リバイバル版でトニー賞最優秀リバイバル作品賞を受賞した女性演出家のダイアン・パウルス。ボブ・フォッシーの刺激的なダンス・スタイルにシルク・ドゥ・ソレイユ出身アーティストが手掛けるサーカス・アクロバットを融合し、目くるめく幻想的な世界を創り出している。

若き王子ピピンが、リーディングプレイヤーと呼ばれる狂言回しに導かれ、戦争、革命など奇想天外な経験をしながら、人生にとって大切なものを見出していく物語。転がるように展開していくストーリーは痛快で、観る者の感情を刺激していく。新演出によりサーカステントが舞台。カラフルで派手なコスチュームに身を包んだキャストたちが次から次へとアクロバティックなテクニックやマジックを繰り出し、観客は驚きの連続。主要キャストたちがソロで魅せる歌とダンスも見どころで、義理の母親ファストラーダ(サブリナ・ハーパー)のセクシーで力強い歌とダンスや、ピピンの祖母バーサ(プリシラ・ロペス)の想像を絶するエネルギッシュなパフォーマンスに、会場は拍手喝采となった。

また、オリジナル版を知るキャストも出演。ピピンの父親チャールズ役のジョン・ルービン・スタインはオリジナル版初演のピピン、プリシラ・ロペスは義理の母親ファストラーダの2代目を演じていて、今作では脇を固めている。

ブロードウェイミュージカル『ピピン』は、9月20日(日)まで東急シアターオーブにて上演。チケット発売中。

取材・文:門 宏