Geroの目指す先は…

――『ニコニコ動画』で作品を投稿しようと思ったきっかけは?

Gero:もともと『ニコニコ動画』のリスナーだったので。「すごい、こんな文化あるんやー」って思ってました。で、「自分でも簡単に投稿出来るんやー」って知って。僕がやりはじめるちょっと前くらいから、有名な歌い手の方々がライブをはじめたんですよ。「わー、俺も出たい!」と思ってやり始めました。

――Geroさんはインターネットは詳しかったのですか?

Gero:弟がネットに詳しくて「面白い動画サイトがあるよー」って教えてくれたのがきっかけでした。「『YouTube』みたいに動画が見れるんやけど、でも横からコメントが流れて、リアルタイム風にみんなの感想が見れるから『2ちゃんねる』と『YouTube』が合体したみたいなんや」って。それで弟が「めっちゃ声の高い人がおる」って教えてくれたのが歌い手のゴムさんで、『おっくせんまん!』っていうロックマンの曲をアレンジしたものがあって、それが、当時大流行りしてたんです。すごくキーが高くて、ゴムさんのハイトーンの歌い方が好きでハマってしまいました。

――それで、まさに自ら歌ってみたっていうことなんですね。

Gero:バンドを組んでプロになろうっていう大層なことではなく、投稿ならできるって思ったんですよ。録音がわかる友達に家でレコーディングしてもらったんです。たぶん、歌い手やボカロPとか「何で投稿始めたんですか?」って、聞かれることって多いと思うんですけど、9割9分みんな「暇やったから」って答えると思うんですよ。暇の感じがとてつもなかったですからね……。その頃が人生で一番辛かったんですよ(苦笑)。

―ははは(笑)。そして、憧れのゴムさんとも一緒に『G.W.ニコライZEPP TOUR 2012』では競演されるんですね。

Gero:そうなんです。嬉しいですよね。それに赤飯さんや湯毛さんや、他の歌い手さんもよく観てましたから。

――『ニコニコ動画』の投稿カルチャーの始まりを、リスナーとしても歌い手としても全部体験されているのがGeroさんなんですね。しかも、『ニコニコ動画』のすごさって、東京や大阪のような都市だけではなくって、地方こそ人気があったりしますから、ゆえに全国ツアーも早い段階で可能になったっていう。ここには、2012年ならではの音楽活動のヒントがありそうですね?

Gero:一般的なメジャーアーティストさんって、やっぱり東名阪のツアーが中心で、地方が入らないって聞きますよね。札幌がなかなか集客大変だとか。逆に僕らは地方の方が入ったりするんですよ。ネットのおかげでまんべんなく情報が伝わっているので。メジャーのアーティストさんって情報が伝わりきれてなさそうなんですよね。僕らはインターネット上で活動しているので、観てくれているお客さんもインターネットにそれなりに精通しているんです。

――Geroさんの次なる目標ってあったりするんですか? 先日は、人気ロックバンドORANGE RANGEやSPYAIRと対バンされてましたよね?

Gero:そうなんです。『ニコニコ動画』以外の活動も増やしていきたいなって思ってます。先日のライブも楽しかったです。とくにSPYAIRのボーカルのIKEちゃんとは気があって。マイクオタクだったり、同じブランドの服を着てたり、同じ吸引機を使っていましたとか。面白かったですね。

――お客さんの感じはどうでした?

Gero:分かれていましたよ。『ニコニコ動画』を見てくれている人と、そうじゃない人はやっぱり違うみたいで、僕らも戸惑いつつでした。でも、お客さんは盛りあがってくれてたので伝わったんじゃないかな。SPYAIRさんも、長いことやってますし、6~7年かな。ORANGE RANGEさんが10年ですからね。こんな交流イベントがどんどん増えていってほしいです。