『ピエロがお前を嘲笑う』

ドイツで大ヒットを記録した映画『ピエロがお前を嘲笑う』が12日から日本でも公開され、圧倒的な動員を記録している。東京の新宿武蔵野館では公開初日と翌日は全上映回が満席・立ち見で、その後も立ち見の回が続出。早くも上映館の拡大が決定した。

『ピエロがお前を嘲笑う』冒頭映像

本作は映画全体に様々なトリックが仕掛けられており、公開前から試写会に参加した観客から「このトリックは絶対に見破れない」「見破ったと思ったけどダマされていた!」などの声がネットにあがり、話題を集めていた。公開初日には1館あたりの興行収入アベレージが1位を記録。口コミも広がっており、配給会社の予想を上回る動員と人気を獲得している。

そこで、本作の冒頭3分間の映像が公開になった。映画は最重要指名手配のハッカー・ベンヤミンの語りから始まる。彼はネットの海で姿を隠し、“透明人間”として暗躍してきたが、ある事件をきっかけに最悪の事態に直面する。冒頭に登場するベンヤミンが見たものは、ホテルの部屋で何者かに殺されたと思われる仲間たちの死体と、床に落ちた銃の薬きょうだ。誰かがベンヤミンの命を狙っている。追いつめられた彼は自ら警察に出頭し、取調べに応じる。そこで彼が語る物語は真実か? それとも捜査官をあざむくトリックか?

興味深いのは、映画の結末を知ってから映像を観ると、冒頭の3分の段階ですでにトリックを解く“ヒント”がギッシリとつまっていることだ。もちろん、初めてこの映像を観る者でも、仲間の死体の顔はなぜ隠れているのか? どうしてベンヤミンは散乱した部屋から小さな銃の薬きょうを拾い上げたのか? 彼の語りに乗せて描かれる回想映像に登場する奇妙なアイテムは何を意味しているのか? など気になるポイントは多い。

本作はリーピーター割引も実施されており、結末を知った上でもう一度楽しむ観客、冒頭映像を観てから本編に挑む観客がさらに増えそうだ。

『ピエロがお前を嘲笑う』
9月12日(土) 新宿武蔵野館ほか全国ロードショー

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