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京都出身の日本人女優・祐真キキ(すけざね・きき)が、人気海外ドラマ『HEROES/ヒーローズ』の5年ぶりとなる新章『HEROES Reborn/ヒーローズ・リボーン』に大抜てきされた。日本刀の使い手にして、ゲームと現実の世界を行き来するという特殊能力の持ち主・ミコを演じる。89年生まれの現在26歳。かつて同シリーズに起用され、“ヤッター”旋風を巻き起こした日本人俳優のマシ・オカに続き、世界的なブレイクを果たす予感だ。

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高校時代にアメリカ留学を経験し、卒業後はバックパッカーとしてタンザニアに約1カ月滞在した。女優になる夢を実現させるべく、22歳で改めて渡米。演技を学びながら、100を超える大小さまざまなオーディションを受け、今年“大役”を勝ち取った。「一番痛感するのは、文化の違い。たとえ否定されても、ガツガツ自分をアピールしないと全然前に進めないんです。日本で生まれ育った私にとって、それは難しいことでした」と振り返る。

撮影では多くのアクションを自らこなし「骨折のような大ケガはなかったにせよ、木刀がおでこに当たって、流血したことも」と苦労が絶えなかったが、「プロデューサーがキャストの意見を積極的に聞き入れてくれたり、驚くほど上下関係がない」と現場の風通しは抜群。ゲームの世界では、CGキャラ化したミコが大暴れするが、「モーションキャプチャーを用いたシーンなので、実際に私がアクションに臨んでいます」と舞台裏を明かした。

日本の俳優は多くの場合、芸能事務所に所属するが、欧米では俳優本人が“経営者”の立場で活動するのが一般的。「自分でエージェントやマネージャー、パブリシスト、メイクさんを雇って、ギャランティからお給料を支払うシステム。いわゆる“事務周り”も自分の仕事なので、今は頭がいっぱいです」。もちろん、オーディションで新たな仕事を勝ち取ることも大きな課題で「一発屋で終わらないよう、頑張ります!」と自らを奮い立たせる。

そんな彼女が目標に掲げるのが、ハリウッドきっての大物女優であり、慈善家としても多大な影響力をもつアンジェリーナ・ジョリーだ。「タンザニアの国際機関で働いた経験から、難民問題や環境破壊の現状について、多くの人に発信したいと思うようになったんです。そのために、アメリカで女優を目指したといっても過言ではありません。これからも活動の軸足は、アメリカに置く予定です」と“世界”を見据えた抱負を語ってくれた。

『HEROES Reborn/ヒーローズ・リボーン』
動画配信サービス「Hulu」で独占配信中
(全13話、毎週火曜日に1話ずつ配信予定)

取材・文・写真:内田涼