2015年12月1日に開局したケーブル4K。開局記念セレモニーでテープカットを実施した

12月1日、ケーブルテレビの4K専門チャンネル「ケーブル4K」が開局した。年内にも1400万世帯で視聴可能になるといい、いよいよ4K放送が身近になってきた。4Kテレビの販売も好調だ。BCNが集計した11月の実売実績では、液晶テレビに占める4Kテレビの台数構成比が過去最高の18.9%を記録。10月まで10%台前半で推移していたところから急伸した。販売金額構成比では46.0%と液晶テレビの売り上げのほぼ半分のを4Kで稼ぎだした。50型以上の大型モデルに絞った4K構成比は、台数で実に68.0%、金額で81.2%と「大型は4Kが当たり前」の状況だ。

伸びている要因は価格の下落。4Kテレビの税別平均単価が19万9300円と、この5月以来半年ぶりに20万円を切ったからだ。現在の主力は画面サイズが40型から55型まで。10万円台半ばから20万円前後のモデルがよく売れている。メーカーごとの販売競争も、さらに激しくなってきた。4Kテレビのメーカーシェアは、7月以降シャープがトップを走っていたが11月、パナソニックが5か月ぶりに首位を奪還。34.0%と同社としては4Kテレビで過去最高のシェアを獲得した。2位に後退したシャープは、27.1%と失速。3位で23.9%のソニーが迫っている。

パナソニックの4Kテレビは、売れ筋の60型未満の台数構成比が9割以上と大部分を占めている。画面サイズ別のメーカーシェアでも40型台、50型台ともに4割弱のシェアを握っており、おおむね20万円以下の価格帯で強い。一方、シャープは60型以上で20万円台後半のモデルが強く、この市場では4割弱のシェアを握っている。しかし、60型以上は4Kテレビの2割に満たない市場であることから、4Kテレビ全体ではシェアが伸び悩んでいる。(BCN 道越一郎)

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