子どもを育てる親なら、元気で、賢く、優しい子どもに育ってほしい、と誰もが望むもの。

ですが、そのためになにをしたらいいか、わかっている親は少ないのかもしれません。その時はよかれと思ってしていたことが、あとあと思ってもみない形で影響が出ないとは限らないからです。

「子どもの育ちとは、つまり脳が育つこと」だと、長年、小児科医、臨床心理士の立場から、不登校、発達障害、不安障害の子どもとその親をみてきた成田奈緒子さんと上岡勇二さんは言います。

お二人の共著『子どもの脳を発達させるペアレンティング・トレーニング 育てにくい子ほどよく伸びる』で、彼女らが主張しているのは、「投薬治療や療育、教育をはるかに上回って、子どもの育ちに影響を与えるのは、家庭環境」ということです。

つまり子どもの脳をよく育てるには、生活を共にする親のあり方次第ということ。親の責任は重大と聞くと、気が重くなってしまうママも多いかもしれませんね。

でも安心してください! 脳の育ち直しに遅すぎることはありません。

今回はこちらの著書を参考に、もっとも子どもに近い親が、子どものためにできる最善のことはどういったことなのか、学んでいきたいと思います。

子どもの脳は18年かけて成長する

人間は他の動物よりもずっと子育てに時間のかかる生き物です。約18年かけてやっと一人前になるのですから。

人間の機能の大部分は脳が担っているため、本書では子どもの発達=脳の発達と定義しています。親が子どもに求める「元気」、「賢い」、「優しい」の要素は、どうやら脳の発達と密接な関係があるようです。

首が座る前に言葉を話す子はいないように、脳の発達には段階があります。良い育ちとは、適切な時期に適切に育てられて初めてよく機能するようです。

【年齢別】子どもが幸せになる「正しい睡眠」“子どもの困った”は睡眠見直しで解決!の記事でも触れていますが、子どもが生まれてから5歳くらいまでに育つのが「からだの脳」、1歳から18歳までにかけて育つのが「おりこうさんの脳」、そして、10歳から18歳までにかけて育つのが「こころの脳」です。

一般的には、脳幹、大脳新皮質、前頭葉と呼ばれる部分ですが、本書では、上記のように、イメージしやすい名前がついています。

「からだの脳」が育つよりも先に、「おりこうさんの脳」が育ってしまうと、幼少期は親の言うことをよく聞いてなにをやらせても優秀だった子どもが、小学校高学年以降に、不登校や不安障害など、心の問題を引き起こすといったことも起こりかねません。

「からだの脳」がしっかりとした土台を築き、その上に「おりこうさんの脳」、「こころの脳」が乗るのがよい脳育ちのイメージです。

「からだの脳」が貧弱に育ってしまうと、あとあといくら「おりこうさんの脳」や「こころの脳」を積んでも、バランスを崩して倒れてしまう危険性があるのですね。

生活のすべてが子どもに影響を与える?

生まれてから5歳までに育つ「からだの脳」は、もっとも軽くみていはいけない脳といえるかもしれません。言い方を変えれば、生きるために必要なことが詰まっているのが「からだの脳」だからです。

子どもは親の言動を見て育ちます。生活の仕方以外にも、物事の捉え方、発する言葉の内容、子どもに見せる表情、子どもとの遊び方にも、子どもへの影響ははかりしれません。

まずは親が、自分のしていることすべてが子どもにとっての学びになる、ということを肝に銘じておく必要がありそうです。

親に求められるブレない生活習慣の確立

生活が脳を育てるといったとき、どういったことを一番に思い浮かべますか?

食事? 運動? たしかにそういったことも大事です。ですが、なにはなくとも守りたいのは、「日が昇ったら目覚め、日が沈んだら休む」習慣です。

たとえば、5歳の子どもに必要な睡眠時間は11時間ですが、寝るのが21時になってしまったら、翌朝は8時まで寝ないと確保できない長さです。両親とも働いている家庭なら、朝はそんなに悠長に寝かせてあげられないですよね。

人間は昼行性の生き物です。夜寝て、朝は起きるという当たり前のことができて、初めて人間の脳は正しく機能します。

睡眠時間を確保するためには、早く寝る必要が生じます。それが習慣になれば、朝の目覚めもよくなるでしょうし、自然とおなかも減ってくるはず。まだ半分寝ている子どもを無理やり起こして、空腹でない子どもにごはんを食べさせようとしていませんか?

一日元気に過ごせば、自然と夕方にはあくびをしはじめるのが健全な子どもです。こう考えると、すべてはつながっているのですね。

毎日一定で、安定した生活を送ることが、親が子どもに与えられる形のない最高のプレゼントなのです。

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