永井謙佑(FC東京) (C)F.C.TOKYO

久保ロスを払拭する2連勝で首位をがっちりキープするFC東京と、13試合負けなしと好調を維持するV2王者・川崎フロンターレ。『2019明治安田生命J1リーグ』は後半戦へ折り返したばかりだが、FC東京×川崎Fは今季のV戦線の試金石となる一戦と言えるだろう。FC東京が12勝3分3敗・勝点39と突っ走れば、川崎Fも消化試合が1試合少ないながら8勝8分1敗・勝点32・3位から追う。34回目を数える『多摩川クラシコ』の舞台は整った。

FC東京の復調はFW永井謙佑が原動力となった。スピードスター、ウイング、FWとさまざまな顔を持つ永井は6月29日の横浜F・マリノス戦で1ゴール2アシスト、前節・7月7日のガンバ大阪戦でも2得点1アシストとストライカーとして覚醒。30歳にして、点取り屋の凄みを増してきた。

きっかけは日本代表だった。6月、4年ぶりに日本代表に追加招集されると、9日・エルサルバドル戦に先発出場。代表デビューから9年半を経て、代表初ゴールを含む2得点を決めたのだ。

代表初ゴール以前が14試合に出場し3得点、代表2得点後が3試合に出場し3得点と言えば、顕著な変化がわかるだろう。長谷川健太監督は「ゴールに向かうプレーが出てきた。代表に選ばれて自信も見られる。感覚がストライカーになってきた」と永井の変化を解説した。

ストライカーとして覚醒した永井と得点ランキングトップタイ10得点のディエゴ・オリヴェイラが今後もゴールを奪えるか否かがFC東京の浮沈の鍵を握る。

対する川崎FもFWの出来が今後を左右することになるだろう。川崎Fは1トップ小林悠を軸にしながらも、レアンドロ・ダミアン、知念慶の3人のFWを1トップや2トップで組み合わせて起用している。小林が6得点、ダミアンと知念が5得点。コンスタントに得点を奪っていると見るか、突き抜けた存在がいないと見るかは微妙なところ。11失点はリーグ最少だ。となると、8引き分けの要因はあと1点が遠いことになる。

FC東京のDFチャン・ヒョンスには中東、川崎Fのダミアンには中国のクラブから熱烈オファーが届いている。川崎Fが『ACL』敗退を受け、国内の戦いに専念できるのに対し、FC東京は8月下旬から『ラグビーワールドカップ』による8試合連続アウェイが控える。先を見据えるとFC東京としては少しでもアドバンテージを稼ぎたいところ。

『多摩川クラシコ』の戦績は川崎Fが14勝9分10敗とリードするも、直近の6試合では2勝2分2敗と全くの五分。今季の直接対決も開幕戦でスコアレスドローに終わっている。

『明治安田J1』第19節・FC東京×川崎Fは7月14日(日)・味の素スタジアムにてキックオフ。チケット発売中。