大久保嘉人 (川崎フロンターレ) (c)J.LEAGUE PHOTOS 大久保嘉人 (川崎フロンターレ) (c)J.LEAGUE PHOTOS

ともに1勝1分である。『明治安田生命J1リーグ』1stステージで、いいスタートを切れるか否かは、今週末のゲームにかかっている。3位・川崎フロンーレ×4位・名古屋グランパスの話である。

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開幕2試合を終えて、無敗のチームは4チームしかいない。両軍の上には連勝スタートを切った1位・大宮アルディージャ、2位・鹿島アントラーズがいるのみ。たった2試合だが、今季もJリーグがオープンな戦いになることを予感させるに十分である。昨季の1stステージ第2節終了時点で、2勝が3チーム、1勝1分が4チームと言えば、いかに今季が波乱のスタートか理解できるだろう。川崎Fも名古屋も、『ACL』組が序盤で苦しむ中(浦和レッズ、FC東京、ガンバ大阪は1勝1敗、サンフレッチェ広島は1分1敗)、少しでもアドバンテージを築きたいはずだ。

川崎Fは名古屋戦では、リーグ戦通算14勝5分5敗と相性のよさを誇る。直近3年間でも、引き分けをひとつ挟み5連勝中である。この連勝を支えているのが、大久保嘉人だ。前回の直接対決でハットトリックを決めた3年連続得点王は、名古屋戦過去5試合で6ゴールと大当たりしている。毎節、佐藤寿人(広島)と激しいJ1通算最多得点争いをするであろう大久保は、今回の対決でも勝敗の鍵を握る。

大久保だけではない。すでに3ゴールをマークする小林悠も絶好調である。昨季はケガに泣き、わずか5ゴールに終わった鬱憤を晴らすようなゴールラッシュが期待できる。3月7日~9日の日本代表候補トレーニングにも参加し、モチベーションは十分。さらに新加入の森本貴幸も、前節に貴重な同点ゴールを決めている。持ち前の爆発力は健在だ。

一方の名古屋は、新助っ人の決定力が際立つ。シモビッチ。199cmのスウェーデン出身の24歳だ。開幕戦・ジュビロ磐田戦では頭ふたつ抜けたヘディングシュートを決め、第2節・広島戦ではグラウンダーのクロスをダイレクトで流し込み、2試合連続弾をマークした。長身を利したヘディングだけではなく、抜群の足もとの技術にドリブルシュート、ポストプレーなど、オールラウンドな能力に長けたFWの存在感は大きい。守備に重心を置きながら、カウンターから活路を見出す小倉隆史新監督の戦術も現実的だ。監督1年目はとかく、自分の色を出そうと焦るもの。理想はひとまず脇に置き、シーズンを重ねるとともに徐々に自らのスタイルを落とし込もうとする姿勢はよし。

『明治安田J1』1stステージ第3節・川崎F×名古屋は3月12日(土)・等々力陸上競技場にてキックオフ。大久保や小林ら川崎Fアタッカー陣が自慢の攻撃力を発揮するのか、名古屋が粘り強い守備とシモビッチの決定力で勝点3を手繰り寄せるのか。チケット発売中。