『わが母の記』試写会後のQ&Aの様子

井上靖の自伝的小説を原田眞人監督が映画化した『わが母の記』が28日(土)から全国公開されるのを前に、原田監督、石塚慶生プロデューサーが、14日に都内で、本作の試写会観賞者と懇親会を行った。

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このほど行われた試写会&懇親会は、ぴあカードと“シネマズ by SHOCHIKU”がタッグを組み、「もっと映画を楽しみたい」という人のために贈る特別企画の第2弾で、当日は約50名が参加。試写会直後のQ&Aでは、まず原田監督と石塚プロデューサーが映画化までの道のりや、出演者について語り、その後に参加者からの質問に応じた。原作者と同郷(静岡県沼津出身) という原田監督は、井上文学の映画化について「10年来温めてきた企画。ずっと家族映画をやりたかった」と語り、石塚プロデューサーは洪作の母親・八重役を演じた樹木希林について「1回断られて…。再度口説こうと、監督と某ホテルまで樹木さんにお会いしに行ったら、樹木さんは八重さんの格好で来られたんです。そして八重役を演じるにあたり、色々な提案をしてくれました」と振り返った。

また、先ごろ受賞したモントリオール世界映画祭の審査員特別グランプリのトロフィーを披露する場面も。原田監督は「受賞が発表されたとき、僕らは京都の国宝のお寺で撮影してたんです。慎重に撮影しているときだったから、知らせを聞いても盛り上がれなくて。そしたら現地に行っていた樹木さんから電話が来て『あなた、グランプリじゃないからって文句言っちゃいけないのよ』って叱られました」と笑顔を見せた。

Q&A後の懇親会では、参加者の各席に原田監督らが座り、直接質問に答えたり談笑する場面が見られ、参加者からは「映画を観た直後というのもあって、すごい盛り上がった」「映画の裏側とか苦労話とか、私たちが普段観るのとは違う角度からの話がたくさん聞けて楽しかった」など喜びの声が多く寄せられ、イベントは大盛況に終わった。

本作は文豪・井上靖が自身の人生や家族との実話を基に綴った『わが母の記〜花の下・月の光・雪の面〜』を原作に、普遍的な家族の愛を描いた物語。作家・伊上洪作を役所広司が、母親の八重を樹木が、三女の琴子を宮崎あおいが演じる。

『わが母の記』
4月28日(土)全国ロードショー