中村俊輔(横浜F・マリノス) (c)J.LEAGUE PHOTOS 中村俊輔(横浜F・マリノス) (c)J.LEAGUE PHOTOS

ともに3連勝中のチーム同士の対決だ。『明治安田生命J1リーグ』1stステージ4位につける横浜F・マリノスが、首位・浦和レッズを迎え撃つ。さらに連勝を伸ばし、1st上位争いをリードするのはどちらか。

横浜FM×浦和 チケット情報

前節・ガンバ大阪戦で中村俊輔がやってくれた。芸術的弾道を描くフリーキックで同点に追い付いたのだ。今季2点目、J1通算最多記録を伸ばす22点目のフリーキック弾は健在だ。70分には新加入のマルティノスが決勝ゴールをマーク、試合終了間際にはGK・飯倉大樹が遠藤保仁のPKをストップし、アウェイで貴重な勝点3を勝ち取った。中村は開幕戦こそインフルエンザで欠場し、黒星発進となったが、ピッチに戻ってきてからは横浜FMは無敗だ。やはり、ピッチ上に背番号10がいるのといないのでは、歴然とした差がある。中村が高いパフォーマンスを発揮し続ければ、自然と勝点は付いてくるだろう。また、4月6日・『Jリーグヤマザキナビスコカップ』柏レイソル戦を含め、出場3試合連続ゴール中のFW・富樫敬真、新加入FW・カイケも楽しみな存在だ。ただ超高速ドリブルでチャンスメイクを連発する齋藤学の負傷は痛い。

横浜FMの不安要素を言えば、5試合連続失点中の守備か。開幕戦はベガルタ仙台に0-1、第2節・アビスパ福岡には1-1、第3節以降はいずれも2-1と、守備が破綻しているわけではないが、堅守が持ち味の横浜FMにとって満足いくパフォーマンスとは言えない。この先を見据え、相手の攻撃を封じ、最少得点でも勝ち切る戦い方も必要になってくる。

浦和も勢いに乗っている。4月5日・『ACL』で前回大会覇者・広州恒大を1-0で下したのは、チームにとって大きな自信となっただろう。殊勲のゴールを決めたのは、FW・武藤雄樹だ。FW・ジャクソン・マルティネス&リカルド・グラル、MF・パウリーニョという広州恒大が誇るワールドクラスのアタッカー陣の猛攻を凌ぎ、途中出場した興梠慎三&李忠成があわやゴールというシーンを作り出した。別次元の資金力を持つ広州恒大に勝っただけではなく、自分たちのサッカーを貫いた上での勝利に大きな価値がある。試合後、ペトロヴィッチ監督は「結果だけを求め、自分たちのサッカーを忘れてはいけない。我々は攻撃的なサッカーをし、負けることもある。ただ、見る者あってのサッカーだ。時として、高さのある選手に長いボールを入れて、そのセカンドボールを狙っていく戦い方はあるが、それは我々のサッカーではない。自分たちの攻撃サッカーでタイトルを獲ってこそ、意味がある」と持論を展開した。指揮官が目指す攻撃サッカーの手綱を握るのが、背番号10・柏木陽介である。

4月10日(日)・『明治安田J1』1stステージ第6節・横浜FM×浦和・日産スタジアムで自軍を勝利に導くのは中村か、柏木か。トリコロールと赤の背番号10がその鍵を握る。