『ズートピア』(C)2016 Disney. All Rights Reserved.

『アナと雪の女王』『ベイマックス』のディズニー・アニメーション・スタジオの最新作『ズートピア』が4月23日(土)から公開になる。本作には、2本足で歩く様々な動物たちが登場するが、彼らは本当に愛らしく、まるで本当に存在しているかのように活き活きと動いている。彼らはどのようにしてキャラクターを動かし、生命を吹き込んだのだろうか? カリフォルニアにあるウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオで取材を行った。

『ズートピア』特別映像

『ズートピア』は、一人前の警官になることを夢見るウサギのジュディと、キツネの詐欺師ニックが、ズートピアの運命を左右する大事件の解明に挑む物語で、劇中に登場するのは進化し、2本足で歩くキャラクターだ。アニメーション・スーパーバイザーのチャッド・セラーズは「キャラクターを開発していくプロセスで、僕らはたくさんの実験をやった。僕らがやろうとしたことは、動物の習性をパフォーマンスに入れ込む方法を見つけることだった。どれだけ動物の習性をパフォーマンスに入れ込んでいくか、適切なバランスを見つけようとしたんだ」と振り返る。例えば、ウサギのジュディは、いくつかのシーンで振り向くよりも先に耳が動く。これは実際のウサギの耳が“レーダー”のような役割を果たしていて、左右の耳を別々に動かすことができることを活かしたものだ。

アニメーション・スーパーバイザーのキーラ・レトマキは「ウサギについていろんなリサーチをしていて、とても驚かされたことは、ウサギがどれだけ速く、敏しょうに動くことが出来るかということだったわ。彼らはいつもとても警戒しているの。そして、必要な時には素早く動けるのよ。これらの動物がすごく警戒したり、怖がったり、驚いたりした時は、動物的な直感が(通常時の判断に)とってかわるのにとてもいい時だと感じたの」と語る。

本作では動物は進化し、2本足で行動する。しかし、それぞれの動物の特徴はその動きに残っており、さらにその奥底には動物の持つ“本能”が眠っている……この映画ではそのことが“セリフ”ではなく“動き”によって表現される。「動物の本能が優位になるこれらの瞬間を見つけることが大事だったの。ジュディは少しストレスを感じたり、パニック状態になり始めると、鼻が動き始めるの。こういった動物的な資質を、人間として感情移入出来るような信憑性のある演技の上に、さらにたくさん入れ込もうとしたのよ」(レトマキ)

2本足で歩き、ハイテク都市で暮らしているが“本能”は消えていない……これは『ズートピア』のキャラクターを動かす上で、ストーリーを語る上で絶対に外せないポイントだったようだ。

『ズートピア』
公開中