『きいろいゾウ』

西加奈子の小説『きいろいゾウ』が、宮崎あおい、向井理の出演で実写映画化されることがこのほど発表された。

『きいろいゾウ』は、片田舎で暮らす売れない小説家のムコ(向井)と、天真爛漫な性格のツマ(宮崎)の夫婦の絆を描く愛の物語。『余命一ヶ月の花嫁』『雷桜』の廣木隆一が監督を務める。

宮崎は、「本当に好きな原作だったので、お話をいただけたことがまず何よりも嬉しかったです」と言い、「ツマは、すごく魅力的な人だと思います。自由で、子供みたいなところもあるけれど、なんだか憎めない……本当に自由でいいなと思います。ツマへの思い入れはすごく強いのですが、変にこだわりすぎずにニュートラルな状態で役に向き合えるようにしたいです」とコメント。宮崎と同じく、以前より西氏の小説が好きだったという向井は、「自分がムコをやるにあたって、自分の中で想像していたムコ像があったので、それに近づくというか、実写化して世界観を作り出すというのをどこまで原作のイメージに近づけられるのかなというプレッシャーはありました」と振り返るも、役への思い入れは強いようで「小説を初めて読んだときの印象も“器の大きい人”というイメージが強かったので、それを出すためにはどういうふうにしようかなっていうのを考えましたし、ツマに対する接し方でそういうのが出ればいいなと思います」と語っている。

宮崎と向井は初共演だが、撮影を終えた廣木監督は「あおいちゃんと向井くんも元々、原作を好きでいてくれたので、原作の世界観に寄り添って芝居をしてくれましたし、ツマとムコとして心情の揺れもリアルに演じてくれました。二人とも、しっかりと気持ちをつくって芝居に入ってくれたので、演出はすごくやりやすかったです」と手ごたえを感じているようだ。

本作はすでに撮影を終了しており、仕上げ作業を経て、2013年に全国公開される。

『きいろいゾウ』
2013年、新宿ピカデリーほか全国ロードショー