WBB vol.10.5『リバースヒストリカ2016』稽古場より WBB vol.10.5『リバースヒストリカ2016』稽古場より

WBB vol.10.5『リバースヒストリカ2016』が7月27日(水)に開幕する。本作は、ジャニーズの佐野瑞樹と、*pnish*の佐野大樹による兄弟ユニット「WBB」による“10.5回目”の番外公演。佐野大樹がリーダーを務めるユニット*pnish*のヒストリカルコメディ『リバースヒストリカ』を、佐野瑞樹がアドバイザーを務め、上演。今回、本番を1週間後に控えた稽古場を取材した。

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物語の舞台は現代。売れない映画監督・中島は、戦国武将の姿を描く時代劇の撮影の準備をしていた。主演は、次期大河ドラマに出演する売れっ子俳優で中島の弟・朋希。現場には、出演者や脚本家と共に、撮影現場のお祓いのために祈祷師・由井野も召集される。しかし実は由井野は祈祷師ではなく霊媒師だと判明し、好奇心で武将の霊を呼び出すが…織田信長、明智光秀、豊臣秀吉とそうそうたる武将の霊が次々とメンバーに憑依し、大混乱を巻き起こす――。

稽古は、佐野大樹の声掛けで始まった。「ふたつの役をなるべく離すように!」。本作の面白さは“憑依”。現代っ子に戦国武将が憑依したときのギャップが大きければ大きいほど、その魅力が引き立つのだ。中でも織田信長(Ry☆)、明智光秀(佐川大樹)、柴田勝家(櫻井圭登)は、特に線の細い3人が演じるため、武将の迫力とルックスとのギャップが印象的。憑依した時の、佐川の鋭い目や強さを感じる殺陣、櫻井から想像もつかない荒っぽさは、どこに隠し持っていたのだろうと驚かされた。Ry☆は“肩を脱臼しやすい虚弱体質の身体に乗り移った信長”という設定があり、威圧感と脱臼を共存させる芝居がおかしい。美少年として知られる信長の小姓・森蘭丸(吉岡佑)は、信長よりも背が高く“人をイラッとさせる”男に憑依したため、なんとなく信長からの寵愛が受けられない。愛されない蘭丸、というなかなかない設定にも笑ってしまう。

また、小笠原健と高崎翔太による中島兄弟は、物語の柱。佐野大樹演じる秀吉とのやり取りなど、みせるシーンも多く、シリアスとコメディをスムーズに行き来する。陽気な兄弟による息ピッタリの掛け合いが作品をテンポよく進めていた。

さらに、本作が上演される劇場は、東京・品川プリンスホテルクラブeX。360度客席が取り囲む円形ステージで、舞台の縁ギリギリまでつかった芝居や、工夫された立ち位置など、どの席から観ても楽しめるように練られていると感じた。

公演は7月27日(水)から31日(日)まで東京・品川プリンスホテル クラブeXにて。