(写真左より)薫田真広男子15人制ディレクター・オブ・ラグビー、ジェイミー・ジョセフ日本代表ヘッドコーチ (写真左より)薫田真広男子15人制ディレクター・オブ・ラグビー、ジェイミー・ジョセフ日本代表ヘッドコーチ

9月5日、ラグビー日本代表ジェイミー・ジョセフ新ヘッドコーチ就任記者会見が行われた。現役時代は1995年『W杯』でニュージーランド代表の準優勝に貢献し、1999年には『W杯』に日本代表として出場。サニックスには1995~2002年に在籍、日本をよく知る指揮官は『スーパーラグビー2015』ではハイランダーズを優勝に導いた。2019年、開催国として迎える『W杯』を託されたジョセフHCは「大きな挑戦になる」と抱負を語った。

「2015年『W杯』に挑んだエディー・ジョーンズ、選手たち、そして『リオ五輪』で偉業を達成したセブンズ代表チームに敬意を表したい。日本ラグビーは新たな景色を見る位置に立っている。今日本では日本代表、トップリーグ、サンウルブズと三つのラグビーが見られる。これは代表の強化としては最適だ。(2007年大会に続き)2015年『W杯』でベスト4に入ったアルゼンチンの例がある。2019年に日本代表がやれない理由はない」

日本代表の強みと課題については、次のように分析する。

「2015年『W杯』を見ても、日本はフィットしていて、スキルフルなラグビーを展開した。持っているエナジーすべてを出し切るのが長所。日本はボールを保持していればスピードやアジリティーなど強みを発揮できる。パワーの部分はこれから世界に追いついていかないといけない。今後はキッキングゲームになっても、一定のエリアでボールを動かし、賢く戦うチームが勝っていくだろう。キックのスキルを伸ばし、『W杯』で安定感を見せたセットピースについても考えていきたい」

2019年『W杯』に向けて具体的な目標は避けた。

「勝つことが目標。ただ私が目指すのは、何勝するとか数字の目標ではない。選手たちがエキサイティングなプレーをし、ファンが世界トップレベルのラグビーを見たと思ってもらえることが2019年の成功」

さらに新指揮官は次代を担う若手の育成や日本人コーチのレベルアップも、自身の役割だと認識する。

「選手の育成は私の責任だ。それに私が去る日、日本人コーチたちが成長しているようにするのも責任のひとつ」

新HCは手始めに代表選手たちの所属チームを訪れ、コミュニケーションを取っていくつもりだ。ジョセフは「ヘッドコーチや選手たちと直接話したい。顔を合わせてコミュニケーションを取ることが大事。主要メンバーと関係性を築いていきたい」と語った。

ジェセフHCの初陣となる『リポビタンDチャレンジカップ2016』日本代表×アルゼンチン代表は11月5日(土)・秩父宮ラグビー場にてキックオフ。チケットの一般発売は9月下旬を予定。