(左から)ケヴィン・ファイギ、ベネディクト・カンバーバッチ、ティルダ・スウィントン、スコット・デリクソン監督 photo堤博之

マーベルの新作映画『ドクター・ストレンジ』の記者会見が13日に香港で行われ、主演のベネディクト・カンバーバッチをはじめ、ティルダ・スウィントン、スコット・デリクソン監督と、マーベル・フィルムを率いるケヴィン・ファイギが登場した。

本作は、圧倒的な腕を誇る神経外科医ドクター・スティーヴン・ストレンジが交通事故によって使えなくなってしまった両手を癒そうとする過程で、神秘的な力に触れ、富と地位のあるそれまでの世界に戻るか、魔術師として世界のために戦うかの選択を迫られる。

これまで数々のヒット作を送り出してきたファイギは「本作の原作は1960年代に誕生しましたが、とにかくキャラクターが素晴らしい」と語り、「長年、この役はベネディクトに頼みたいと思っていたから、彼のスケジュールに合わせて撮影期間を調整しました。マーベル映画で、俳優のために撮影期間を調整するのは初めてのことです」とコメント。デリクソン監督は脚本も手がけており「脚本を書きながらずっとティルダのことをイメージしていたから、もし彼女に出演を断られたら、脚本を書き直さないといけなかったよ」と振り返った。

カンバーバッチは「基本的にはどの役であってもアプローチは同じ」としながらも「撮影において最も難しいところは、もっとも楽しいところでもあるんだ。この映画では物質主義的で何不自由なく暮らしていた男が事故によってすべてを失ったのちに、少しずつ段階を経てマーベルのヒーローになっていく。その過程を段階ごとに演じていったよ」と振り返った。

マーベル映画は、アイアンマンやキャプテン・アメリカ、ハルクなど人気キャラクターを多く抱えているが、デリクソン監督は「アイアンマンでもハルクでも、その力がどこから来たのか説明する必要があり、それらはいつも科学的で現実的なものだった。でも本作では人智を超えた部分を描いているのが、これまでのマーベル映画との決定的な違いだ」と力説。カンバーバッチは「この映画は物語の起源を描くものであり、原作にも忠実で、アクションもスペクタクルもユーモアも、感動的なドラマもある。期待してくれていいと思うよ」と完成度に大きな自信を見せた。

『ドクター・ストレンジ』
1月27日(金) 全国ロードショー