深井順子、森下亮 撮影:市川唯

2月13日より、東京・CBGKシブゲキ!! にて、舞台『春母夏母秋母冬母』が開幕した。

【チケット情報はこちら】

本作品は、中学生になる少女・こなこ(深井順子/上西星来 Wキャスト)と少年・ユキユキ(森下亮/土屋神葉 Wキャスト)が空想世界を旅する様子と、各々の母との交わりを描いた作品。

劇空間いっぱいに広がるカラフルな公園のセットの中で、公園という場所が、時に語らいの所となり、空想の遊び場となり、酔い覚ましの場所となり、母と子が過ごす場所となる。舞台上、セットチェンジは無く、ふたりのキャストはセットと好対照なシックな衣装を纏い、衣装替えも無い。そのシンプルな設定の中、観客の目の前で、時間や空間がめくるめく移り変わりを遂げながら、ふたりの男女の子ども時代から熟年期までの半生をリアルに描いてゆく。

また、この作品では、キャストが互いの母を演ずる、つまり男性も母親役を演ずる、という性別、年齢を超えた表現方法が、大きな特徴であり、魅力となっている

深井順子は、屈託無いこなこの少女性を自然に体現し、伸びやかに空間を操りながら、少女から大人の女性まで演じ切る。森下亮は、こなこの母の溢れる母性を、軽やかに演じ、唯一無二の母親像を生み出している。

土屋神葉は、豊かな表情、通りの良い声、感情の発露で、内包するエネルギーを熱く放ち、ユキユキの少年性とこなこの母を瑞々しく演じる。上西星来は、可憐な美しさの一方で、少女になり母になり飲み屋のママにもなる様々な顔を、一本芯の通った芝居でしっかり演じ、存在感を見せる。

この作品は、キャストの深井順子の母親が亡くなったことを機に、FUKAIPRODUCE羽衣の劇団公演として2018年に糸井幸之介が書き下ろした、深井と母のエピソードも随所に散りばめられた私小説的な要素もある作品だが、誰しもが自分の心と会話をしながら、いつのまにか見入ってしまう、普遍的で、壮大な、心に迫る作品である。

全く個性の異なる俳優達が、歌と芝居で紡ぎ出す、無限の可能性を楽しみながら、夜の闇の中で繰り広げられる時空旅行に身を浸したい。

公演は、2月13日(木)~19日(水)、CBGKシブゲキ!!にて上演中。ぴあでは当日引換券を各公演前日23:59まで発売中。

「ウレぴあ総研」更新情報が受け取れます