2015年に続き、ASUSがSIMフリースマホ年間No.1に王手

2016年も終盤、年末商戦で今年も盛り上がっているのは、SIMフリーのスマートフォン(スマホ)市場だ。11月までの累積販売台数前年同月比は143.8%と、市場はおよそ1.5倍に拡大した。一方、折からの0円端末販売規制の強化で、SIMロックスマホは同97.6%と前年割れしており、スマホ市場を支えているのはSIMフリースマホという構造だ。

なかでも11月時点での販売台数累計シェア27.6%と年間トップシェアに王手をかけているASUSは、今年も日本のSIMフリースマホ市場を強力にけん引したといっていいだろう。

SIMフリーは安定成長、SIMロックは前年比マイナスに

販売台数の累計で前年同期と比較すると、年初こそSIMロックスマホがSIMフリースマホを上回って、出足好調に見えたものの、2月に入ると逆転、3月にはSIMロックスマホは前年割れに突入し、以降累計の前年比でプラスに転じることはなかった。

一方で、SIMフリースマホは多少の上下はあるものの安定的に前年を上回っている。しかも6月を底に年の終盤に向かって前年比が拡大し続けている。SIMロックスマホが前年比マイナスから抜け出せないのを尻目に、SIMフリースマホ市場は、前年比で1.5倍の規模に拡大した。

熾烈なトップシェア争い、現在の首位は昨年王者のASUS

メーカー別では、累計シェアで安定的にトップを走っているのが昨年の年間ナンバーワンメーカーASUSだ。25%から30%の間を上下しながら、トップを走り続けている。年初に2位の座でASUSに迫っていたプラスワン・マーケティングは、新製品投入の時期が遅かったことなどもあり、徐々にシェアを落とした。

一方で、ASUSに急接近しているのがファーウェイだ。11月時点で25.9%の累計シェアまで上昇してきており、その差はわずか1.7ポイント。今年のSIMフリースマホを制するのは、現在王手をかけている昨年の王者ASUSか、急激に追い上げているファーウェイか、目が離せない状況だ。

上位2社のほかにも、富士通や京セラ、モトローラなど本格参入するメーカーも増え、SIMフリースマホ市場は力強く活性化している。なかでも、日本市場を重視し魅力的な端末を次々と市場に投入してきた王者ASUSは、活性化への貢献度も大きかった。

新モデルを矢継ぎ早にリリース、最新の「ZenFone 3」シリーズも好調

まず、今年のメーカー別月次シェアを見ると、最も目立つのが、ASUSが41.1%と急激にシェアを上げた4月だ。ASUSのSIMフリースマホは、昨年夏発売のロングランモデル、「ZenFone 2 Laser」の売り上げがベースになっている。特に16GBモデルは、11月現在の税別直販価格が2万円を切る手ごろな価格ながら、CPUにQualcommのSnapdragon410を搭載し必要十分な処理能力を備えている。またその名の通りレーザーオートフォーカスを搭載しピント合わせのスピードも最速0.03秒と、カメラの使い勝手が良い、バランスのとれたスマホだ。

「ZenFone 2 Laser」に加えて、この3月、auのVoLTEにも対応した「ZenFone GO」と5000mAhの大容量バッテリーを搭載した「ZenFone Max」が登場。市場を一気に席巻した。その後、ライバルメーカー、ファーウェイにトップシェアを奪われる場面もあったが、この秋、デザインを一新した「ZenFone 3」シリーズが発売されると、再び息を吹き返しトップシェアを奪還、年間No.1に王手をかける形になった。

「ZenFone 3」シリーズで特に売れているのが、「ZenFone 3 」の32GBモデルだ。画面も背面もコーニングのゴリラガラスで覆うデザインで、前モデルに比べ高級感が1ランクアップした。CPUにQualcommのSnapdragon625を搭載し、快適な操作性も実現。最大の特徴は2つの電話番号で待ち受けられる点。LTE(4G)と3Gの2枚のSIMを入れられる「DSDS(Dual SIM Dual Standby)」に対応したことだ。しかもauのVoLTEもカバーし、幅広いネットワークに対応できる。

このほかASUSは、「ZenFone 3 Deluxe」「ZenFone 3 Max」「ZenFone 3 Laser」と矢継ぎ早に新モデルをリリース、年末商戦をターゲットにしてラインアップの充実を図っている。好調なZenFone 3シリーズにも支えられ、2年連続の年間No.1獲得が目前のASUS。2017年もワクワクさせられるスマホをリリースしてくれそうだ。(BCN・道越 一郎)

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。

「ウレぴあ総研」更新情報が受け取れます