公演中の虎姫一座の様子。中列の右より2番目がリーダーのゆき。

“芸能の聖地”浅草でロングラン公演を続ける虎姫一座に、現在リピーターが続出中。
彼らは、昭和歌謡が持つ色あせない魅力を今に伝えている。

外国人客も魅了する浅草発のエンタメグループ

高くそびえる東京スカイツリーの下、浅草の街は年齢層も国籍も多様な人々でごった返し、大変な賑わいを見せる。東京の中心に返り咲き、芸能の聖地としても注目を浴びる浅草に、新たな名所が登場した。「昭和歌謡コシダカシアター」だ。このステージで繰り広げられるのは、『エノケン、笠置のヒットソングレヴュー』『シャボン玉だよ!牛乳石鹸!!』というふたつの演目。それぞれの題目名を見るだけで、青春の日々が蘇る方もいるだろう。

講師役の小倉久寛によるVTRを交えて進む『シャボン玉だよ!牛乳石鹸!!』は、高度成長期の原動力になった歌の数々で彩られている。『カステラ一番♪』など、一度は聴いたことのあるCM曲集には思わず笑みがこぼれ、終盤の『銀色の道』の叙情には、今でも胸を締め付けられる。そしてラストを飾る『恋人よ我に帰れ』のグルーヴは特筆すべきで、惜しみなく披露されるアクロバットは見事と言う他ない。これ以外にも和太鼓や民謡といった日本文化も盛り込まれ、飽きさせない趣向でいっぱいだ。