このバラエティ豊かなステージを努めるのが、男女混成9人からなる「虎姫一座」。歌とダンスはもちろんのこと、パントマイム、民謡、新体操などなど、さまざまな特技を持つ複合的エンターテイメントグループである。

「まじめに一生懸命汗を流すことだけは、誰にも負けていないと思っています。体調が悪いメンバーがいたら、誰かがそれを感じさせないくらい前に出る。食事も同じテーブルを囲みます。私達には、昭和の家族のような絆があるんです」

虎姫一座の美しきリーダー、ゆきは笑顔で語る。

現時点で合計500回以上の超ロングラン公演となった虎姫一座の舞台には、実に100回は訪れたというリピーターも存在し、外国人観光客が「わが国でも公演をしてください!」と絶賛するという。ゆきによれば、このハイクオリティな舞台を長い期間にわたって続けられる秘訣は、一座のチームワークだけではないようだ。

「例えばエノケンさんの曲は、演じていると元気が出てくるんです。昭和歌謡には、私達の世代が失っている、大きなパワーがあると思います」

虎姫一座の舞台には、我々が忘れかけた大きなチカラが漲っている。