「hapi-robo st」の澤田会長と富田社長

ハウステンボスは1月30日、ロボット事業会社「hapi-robo st(ハピロボ エスティ)」の設立を発表した。“生産性”だけでなく“ロボットと共生する社会の実現”を追求し、「人がより幸せになるような未来を作る会社」を理念に掲げる。

2015年7月に「変なホテル」、16年7月に「ロボットの王国」をオープンし、世界でも有数のロボット実証地になりつつあるハウステンボス。今回、設立したhapi-robo stでは、「ロボットに関連するすべての事業を請け負う」との説明通り、開発・実験・市場開拓を丸ごと包括した事業を展開する。

これからのロボット時代の主流は産業用ロボットではない

経産省のロボット産業将来市場調査(平成22年)の予測によると、2035年のロボット市場は10兆円規模。注目は、現在はごくわずかにすぎないサービス分野でのロボット比率が半数を超えていることだ。逆に産業用ロボットの割合は徐々に低下していく。

ハウステンボスの経営顧問 兼 技術責任者を兼任する富田直美社長は、発表会の冒頭で「日本はけしてロボット大国ではない。産業用ロボットは世界に誇れるが、サービスをはじめ、他の分野では遅れをとっている」と指摘した。

また、ロボット=メカトロニクス+ソフトウェアという認識もすでに古い考えになりつつあるとの見方を示し、「ロボットは人工知能(AI)やIoT、ビッグデータ、クラウドなどのネットワークと密接に結びついていく。hapi-roboの領域もロボットだけではない。社会基盤全体を視野に入れている」と述べた。

発表会の中盤では、21体のモバイル型ロボット電話「Robohon(ロボホン)」による「Robohonオーケストラ21」が披露された。指揮、バイオリン、トランペットなど、それぞれにパートを割り振られたRobohonがお互いに連携しながら、曲を奏でた。

一見、プログラムすれば簡単にできるように見えてしまうが、実はこれだけの台数を制御するのは非常に難しいという。Robohonが素晴らしいのは、技術が表に見えず、難しさを感じさせないことだ。

富田社長によると、hapi-roboのプロジェクト判定基準は「Design(美しく」「Integration(技術が表に見えず)」「Passion(情熱、真心を感じる)」の三点。今回、Robohonを紹介したのは、まさにこの三点の基準を満たす、hapi-roboの目指すイメージを体現するロボットだからだ。

hapi-roboのスタートアップメンバーには、Robohonの開発メンバー4名も名を連ねる。他のメンバーも「全員の社長を務めた企業数を足すと48社」というそうそうたる顔ぶれだ。「これだけの人が集まったのは、ロボットで人を幸せにしたいという“志”が第一にあるから。われわれの志に同調してくれる人はまだまだいる」(富田社長)。

「一年でも早い収益化を目指すのはもちろんだが、われわれが見据えているものはもっと大きい。将来的には必ず、数百、数兆という事業になるだろう」。hapi-roboの代表取締役会長に就任した澤田秀雄氏(ハウステンボス代表取締役社長)のコメントからも“志が第一”という思いが組み取れる。

本社を東京・白金に、協力関係にあるハウステンボスと九州大学に研究拠点を構えるほか、今後はグローバルでもアライアンスとパートナーシップを締結する予定。世界中の技術者や企業を巻き込んで、活動規模と領域はますます拡大していきそうだ。(BCN・大蔵大輔)

「ウレぴあ総研」更新情報が受け取れます