GACKTが原作、脚本、演出、主演を務め、4人の女性漫画家からなる創作集団CLAMPが企画協力・衣裳コンセプトデザインを担う舞台『MOON SAGA ~義経秘伝~』。公演に先立ち、28日に都内にてGACKTのほか、大和悠河、早乙女太一ら出演者が記者会見を行った。
物語の舞台は、人間と、不思議な力をもつ“物ノ怪(もののけ)”、そして物ノ怪と交わりその力を受け継いだ人の姿をした“者ノ不(もののふ)”の3者が存在する平安時代後期。者ノ不である源義経(GACKT)が、自分の中に眠る力に恐れながら苦悩し、運命と戦う姿を描いた時代劇ファンタジーだ。作品についてGACKTは「最終的に伝えたいことは、決して争いは何も生まないということ。ドロドロした人間くさいパートももちろんありますが、全体的には非常に観やすい作品。僕らは必ず感動という形で応えます」と自信をみせた。
また、「枠にとらわれないやり方」と語ったように演出面では、時代劇でありながら多くのダンサーを出演させたり、背面のLEDを使った仕掛けと前面の役者のアクティングを連動させたりと、様々な試みをしているとのこと。アンサンブルの女性ダンサーから「あざを作りながら稽古している」という声が聞かれるほど、激しい殺陣やアクションも見どころ。GACKTは「いろんなジャンルの仲間が集まり、得意分野は出来て当たり前で、それ以外の部分で何が出来るのかというところを皆それぞれが狙って、ひとつの作品を作り上げています。日本でこういう作品が作れるんだということを感じてもらえるのでは」と演出家としての考え方も披露した。
大和は「細部にいたるまでGACKTさんの世界観がつまっていて、演出がものすごく的確で発見が多い。私の演じる巴御前は男よりも男らしい役で、今はこん棒を振り回して立ち回り稽古に励んでいます。男勝りな中にも女性らしさを垣間見せて演じたい」と意気込みを語った。早乙女はGACKTの演出について「わかりやすく丁寧に伝えてくれるので、とてもやりやすい。殴られたりするのかなと思っていたので安心しました」とコメント。「殴られはしてないんですね?」という質問には「まだ」と答え、会場を笑わせた。
会見の冒頭では主催者である講談社の入江祥雄取締役が「このプロジェクトは舞台公演を皮切りに漫画・アニメ・映画、さらには海外への展開を念頭に置いたもの」と紹介。今後のマルチメディア展開も考えられている。GACKTがどんな新しい義経像を見せてくれるか楽しみだ。
東京・赤坂ACTシアターにて7月15日(日)に開幕し、名古屋、福岡、大阪を巡演。その後、9月には東京追加公演が行われる。
取材・文:大林計隆