保育所保育指針(厚生労働書)にも次のように掲げられています。

特定の大人との情緒的な絆

子どもが示す様々な行動や欲求に、大人が適切に応えることが大切であり、これにより子どもの中に、人に対する基本的信頼感が芽生えていきます。

特に身近にいる特定の保育士が、応答的、かつ積極的に働きかけることで、その保育士との間に情緒的な絆が形成され、愛着関係へと発展していきます。

活発な探索活動

子どもはこの時期、特定の大人との信頼関係による情緒の安定を基盤にして、探索活動が活発になります。

愛着と人見知り

6か月頃には身近な人の顔が分かり、あやしてもらうと喜んだり、愛情をこめて受容的に関わる大人とのやり取りを盛んに楽しみます。そして、前期に芽生えた特定の大人との愛着関係が更に強まり、この絆を拠りどころとして、徐々に周囲の大人に働きかけていきます。

この頃には、初めての人や知らない人に対しては、泣いたりして人見知りをするようになりますが、人見知りは、特定の大人との愛着関係が育まれている証拠といえます。

こうして、特定の大人との愛着形成が出来ている子は、他人に関わる挑戦意欲も出てきます。

それを無理矢理、「ママにばかりべたべたしていてはいけません!お友達と遊びなさい!」と背中を押してしまうと不安が増し、ほかの子と関われる意欲や勇気がかえって湧かなくなってしまいます。

親の価値観を押し付けない

「友達がいないとつまらないだろう。可哀想だ」と考えるのは、ある意味大人の価値観です。あなたも子どもだった頃、親友と言える子がいなかったり、場所によって遊ぶ相手が変わったり、一人で遊んでいる方が楽しかったことはありませんでしたか?

子どもが一人でポツンとしていても、そこで石ころや葉っぱを並べていてもそれが楽しいのですから否定してはなりません。

また、顔や身体つきが異なるように性格も子どもにより様々です。どんどんみんなと関わろうとする社交的な子もいますし、なかなか友達の輪に入れない慎重派の子もいます。でも、みんながいるところにいて、その様子を観察しているだけで十分なのです。

それぞれの持ち味を、大人の価値観でつぶさないようにしましょう。

©あべゆみこ

まとめ

集団生活に入る時期の違いによって、将来の人間関係の作り方に差が出ることはありません。0歳~2歳くらいまでの子どもに対しては“積極的に親しい友達を作らせる“というよりも、“他の人がいる環境で慣れる程度”に思っていた方が良いかもしれませんね。

ママには子育てのストレス発散のためにもママ友が必要かもしれませんが、子どもはママと二人で遊んでいるだけで十分なのです。そう考えると、ちょっと気が楽になりませんか?