子育てでやってしまう“ながら族”な叱り方

時間に追われる日常の中で時短(=時間短縮)してしまうママ。子どもへの注意はいつも“ながら作業”をフル活用。

例えば

  1. お皿を洗いながら「玩具片づけなさい!」
  2. スマホをいじりながら「早く寝なさい!」
  3. 下の子のオムツを替えながら「歯を磨きなさい!」
  4. パソコンをしながら「勉強しなさい!」
  5. 洗濯物を畳みながら「さっさと歯を磨きなさい!」

これで子どもが「はい、はい、わかりました」とすんなり動いてくれるのならば、それはそれでよいのですが…実際にはそうは行きません。

おそらく2回3回、いや、それ以上同じ言葉をかけていないでしょうか。

そしてついには「何度言ったらわかるの!いい加減にしなさい!『早く片付けなさい』とさっきからママが何回言っていると思ってんの!」などと叫んだりします。

子どもを叱る、注意する時は

こんな風にしましょう。

  1. 部屋の真ん中に呼びます。
  2. 親も子どもも今やっていることを一旦中断します。
  3. 正座して、視線を同じ高さに合わせます。目と目をしっかり合わせます。
  4. そして伝えたいことを話します。例えば「今から100秒の間に、この床に散らかっている玩具を片づけましょう」など。

“急がば回れ”の諺どおり、「いちいち場所を移動してお互い向き合って」とやっていたら時間がかかりますが、毎日毎日同じことを言うよりも、一度で言うことを聞きます。こちらの方が時間短縮になります。

つまり、何かをしながら声をかけるのは、叱る側の「親がそのことに集中していない、真剣さがない」と子どもには受け取られるのです。ですから、子どもが話を聞かなくて当然かもしれませんね。

何かをしながら叱るのと、目をジッと見て叱るのでは同じ言葉を使っていても、迫力も説得力も格段に差が出ます。

ビジネスマナー“語先後礼”

ビジネスマナーで“語先後礼(ごせんごれい)”という言葉があります。

読んで字の如く“言葉が先で、礼は後”という意味のビジネス用語です。

例えば、上司とすれ違ったとき「おはようございます」と歩きながら言うのと、いったん静止して「おはようございます」と言ってから頭を下げるのとでは、後者の方が良い印象を持たれます。

夫やママ友にスマホをいじりながら話をされると、なんとなく嫌な気分になりますよね。

これは相手が子どもであっても同じこと。何か別のことをしながら話をするのは、あまり良い印象を与えないのです。

人間は“動くもの”に気を取られてしまう

人間は“動くもの”に気を取られる習性があるそうです。

“ホステスが男性客の視線を集める手段として、大振りのイヤリングをつける”と聞いたことがあります。ということは…動きながら話をすると、そちらに気を取られてしまい、話の内容は伝わらないということです。

まとめ

子どものしつけは他の作業との同時進行ではうまくいきません。親は一旦自分の手を止めて、子どもの動きも止めてから話し始めましょう。

“ながら族”の習慣があるママは「これをやるときは自分のことだけ」に留めておいた方がよいかもしれませんね。